読者の皆さんこんにちは!
前回の記事では、SDGsセミナーイベントについてご紹介しました。そして今回は実際に私が体験してきたSDGsイベントの潜入レポートお届けします。SDGsについて少しずつ勉強し始めているけど、まだイベントやセミナーに行ったことがないという方のヒントになれば幸いです。ぜひ最後までお付き合いください。
SDGsゲームイベントに参加してきました!
今回参加したイベントはこちら!
[SDGsゲーム × キャリアビジョン]* 2030年の未来探求ワークショップ〈定員16名〉
なぜこちらを選んだかというと、私が前から気になっていた「2030 SDGs」というカードゲームを使ったセミナーだからです。勢いで応募し、横浜に行ってきました!
カードゲーム「2030 SDGs」はSDGsの17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを体験するゲームです。
さまざまな価値観や違う目標を持つ人がいる世界で、我々はどうやってSDGsの壮大なビジョンを実現していくのでしょうか?
このゲームは「なぜSDGsが私たちの世界に必要なのか」、そして「それがあることによってどんな変化や可能性があるのか」を体験的に理解するためのゲームです。SDGsという言葉を聞いたことがない人やあまり興味関心がない人でもゲームが持つとっつきやすさと面白さで知らず知らずのうちに熱中し、楽しみながらSDGsの本質を理解することができます。
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イベントスタート~自己紹介
会場は県民センターの会議室。私を含め13名が参加されていました。講師はキャリアフロンティアの虻川真紀先生。優しくそして素敵な言葉選びをする先生でした。
まずは4つのテーブルに分かれて自己紹介タイム。一人1分ずつ自己紹介をしました。皆さんお互い初対面なため若干の緊張感が漂っていました。(ゲームがはじまれば一気に打ち解けます)
そして、SDGsの大まかな解説がはじまりました。ざっと5分くらいのお話でしたが、スッキリとまとまっていて私自身とっても良い復習となりました。そしていよいよSDGsカードゲームの説明が始まります。
カードゲーム「2030 SDGs」のルール説明
このゲームは、SDGsな世界を誰でも体感できるカードゲームになっています。
ゲームの前提
- 教室を一つの「世界」とする
- それぞれに与えられたゴールカードに沿ったゴールを目指しながら、SDGs目標を達成する(2030年が期限)
- それぞれに与えられたプロジェクトカードに書かれた内容を実行する
- プロジェクトが実行されると「世界の状況メーター」が変化する
- プレイヤー同士カードの売買や交渉、何をしてもok
- ゲーム終了時(2030年)に世界の状況メーターがどのようになっているかを振り返り、一定の水準を越えるとSDGs達成
シンプルにいうとこんな感じです。世界の状況メーターはプロジェクトを実施するための外部要因でして、経済・環境・社会の3つの項目があります。簡単に言うと、教室のひとつの「世界」の状況がこのポイントで表示されていて、状況によって実施出来ないプロジェクトが存在するというものです。スタート時点ではそれぞれに3メーターずつ入っています。
13人のプレイヤーにはこのようなカード一式が配られます。100と書いてあるのがお金カード、その下にある大きな3つのカードがプロジェクトカード、緑色のTIMEと書かれているのが時間カードです。
そしてもう一枚、ゴールカードがあります。実はこのゲーム一人一人ゴールが違うんです。各自プロジェクトを実行しながら、違うゴールを目指していくようにできています。ちなみに私はゲーム終了時にお金を1200M以上稼ごうというゴールでした。つまりお金が儲かるプロジェクトを積極的にやっていけばいいですね!
さて、私に配られたロジェクトカードはどうなっているのでしょうか。例としてこちらをみてみましょう。
「国際貿易の推進」ですね。このカードをご覧いただくとわかりますが、プロジェクト実行するためには条件があります。
- 必要な「世界の状況メーター」(国際貿易の推進をするためには経済の青が5メーター以上ないと出来ない)
- 使うお金(300必要)
- 使う時間(国際貿易の推進では時間は必要ない)
この3つが用意できていないとプロジェクトは実行できないのです。
ボクはこのプロジェクトを実行してお金600を手に入れたかったのですが、ゲーム開始時は世界の状況メーターの青が3ポイントしかないので、一旦諦めることにしようと考えていました。(ゲーム開始前なのに必死で戦略を練るボクでした。笑)
ゲームは前後半戦。中間発表と最終発表があります。
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いよいよゲームスタート!
お金を稼ぎたいボクでしたが、もっているプロジェクトカードの内、実行できるのはこちらの黄色カードだけでした。
まずはプロジェクト実行をひとつでもしたいのでお金200、時間2を使って、プロジェクト実行。これによって社会メーター黄色を1ポイント向上させました。
プロジェクトを実行すると、そのプロジェクトの色の意志カードがもらえます。これが何なのかはのちほど!ほかの参加者も続々とプロジェクトを消化していきます。
借金作戦
さて、ゲームが進む中で、お金を稼ぎたいけどお金が足りないボクはある方法を思いつきました。それはお金を先に借りて、儲けたあとに返す方法です。いわゆる借金ってやつですね。ここではじめて他のプレイヤーに話しかけました。
ボク「すみません、このプロジェクトを実行するためにお金があと100必要なので、貸してもらえませんか?」
Aさん「いいですよー」
なんと無利子で貸してもらいました。感激です。そして無事プロジェクト実行後、お金を返しました。ここでふとあることが気になりはじめます。他のプレイヤーのゴールはなんだろう?と。相手が信頼してくれたお金を貸してくれたことがキッカケで、ボクも相手に応えたいと思ったのです。
そこでお金を貸してくれた方にゴールはなんですか?と聞いてみました。すると、緑の意志カードを12枚以上集めるというものでした。ボクが黄色のプロジェクトカードを実行したときに黄色の意志カードを手に入れてましたよね。これの緑色版です。
このときボクは緑の意志カードもっていなかったので、「手に入ったら緑の意志カードあげますね」とお伝えしました。
前半終了
そうこうしている内に前半の8分が終了。あっという間でした。ここでファシリテーターから世界の状況をみてみようと投げかけられます。
さて、どうでしょう。スタート時点からそれぞれの項目が進歩しています。しかし、まだSDGs達成とは言い難いと言われました。
- 経済(青):8ポイント
- 環境(緑):5ポイント
- 社会(黄):10ポイント
実はこの時点でボクたちは、どこまで世界の状況メーターを伸ばせばSDGs達成となるかは知らされていないのです。そして、13人のプレイヤーの内、自分のゴールを達成した人はいませんでした。
ゴール達成者 : 0人/13人
後半開始
後半が開始して、どんどんとゲームは進んでいきます。ボクは借金作戦でお金を増やし続けます。なんとすぐにお金を1000まで増やせました。ゴール達成まであと200。そして新たな方法を思いつきます。
他のプレイヤーでしきりに「時間くださいー」と叫んでいる方がいました。その方にボクの時間2をお金200で買いませんか?と提案したところ、うまく合意しました。
これでボクは晴れてゴール達成です。ゲーム時間も5分も残っていました。そこからは最初に借金に応じてくれた方に緑の意志カードをプレゼントをしたり、他の参加者のゴールを聞いて手伝えることありませんか?と聞いて回りました。聞いて回る中で色々な状況の方がいました。
- 青のプロジェクトを実行して青の意志カードを集めたい。しかし時間カードが足りない。お金を払うので時間が欲しいという方。
- 緑のプロジェクトを実行するために時間カードもお金も足りない方。
- ただただ時間カードがほしい方(そういうゴールがあります)。
参加者それぞれが自分の目標・目的をもってゲームをする様は、まさに社会そのものを見ているようでした。そして最後は会場中で13人が大きな声を出しあって他の人のゴール達成に協力する光景がありました。(人が相互に関係しあって社会はできている!)
最終発表
そしてタイムアップ。最終発表の時間です。なんと13人の内9人がゴール達成していました。
ゴール達成者 : 9人/13人
そのとき世界の状況はメーターはこうなっていました。
- 経済(青):8ポイント→17ポイント
- 環境(緑):5ポイント→9ポイント
- 社会(黄):10ポイント→7ポイント
ポイントが増減していますね。このポイントが最終的にSDGs目標を達成したかどうか?というと、経済・環境・社会それぞれで10ポイント以上が必要だったと発表がありました!
経済が大幅に達成しています。もしかしてボクの借金作戦が影響しているかもと思ったりしました。一方で、環境と社会はSDG目標を達成できていません。経済成長を優先した結果、環境や社会に配慮できなかったということですね。そして、ファシリテーターからこんな投げかけがありました。
「皆さん自分が実行してきたプロジェクをよくみてみてください。実はこのプロジェクトたちの中には倫理的・社会的に良くないものがいくつかあるんです。」
ここでボクはハッとします。借金作戦をしていたときに実行してきたプロジェクトたちを見直します。その中でお金300を使って、お金を600に増やすプロジェクトがありました。そのタイトルにこのように書かれていました。
- 「慣習的性差別への無関心」
自分にとってはお金が増える良いプロジェクトでした。でも世界にとっては悪い作用が発生していたのです。
ゲームの振り返り
その後、プレイヤーそれぞれが気付きを発表する場が設けられました。ボクもいくつかの気づきがありました。
- 相手が信頼してくれたから信頼した自分した
- まず自分が先にゴール達成してからでないと、人に協力できない自分がいた
- 一つの目標を達成しようとすると周りのことがみえなくなる自分がいた
普段の生活では客観視できていなかった自分の行動のクセが浮き彫りになりました。
他の参加者の気づきでは
- 面白そうなものに飛びついてしまってお金や時間の管理が全くできなかった。
というものがありました。確かにボクの友人でもこういう人います(笑)またゲーム全体について全員で気づきを共有しあいました。興味深い気付きがたくさんです。
- 現実世界と同じで時間が足りなかった。自分のリソースだけでなく世界全体のリソースに目をむける必要がある。
- 自分が何をしたいかは発信しないと伝わらない。
- 必要以上のゴール達成は求めない方が良い。
- 先にみんなで話し合いをして全員のゴールを確認しておくべきだった。
などなど
全ての気づきに共通していえるのは、現実世界での組織や個人の動きがそのまま反映されていたことでした。この気づきはそのままリアルに活かしていけること間違いなしです。
ゲーム後はSDGsの事例紹介
2030 SDGsが終わったあとそのままSDGsの事例紹介が始まりました。ゲームを終えて、すっかり一つになった会場。皆さん真剣な表情で解説を聞いていました。
そして最後にSDGsキャリアビジョンを考えるワークショップに移ります。ここで使用したコーチングカードPoints of youがまた良いんです。自分の価値観を見直す良い機会になりました。興味ある方はぜひ調べてみてくださいね。
まとめ
いかがだったでしょうか。ボクは今回のSDGsセミナーを通じて自分の行動のクセがわかりました。それだけでなく、社会全体でSDGsに取り組むにあたり、どんな視点で物事を考えていくべきかが明確になりました。
キーワードは「対話」です。対話なくしてゲームのプロジェクトは進みませんでした。自分は何を目指しているかを伝えること。他の人が何を目指しているか聞くこと。自分たちが実行するプロジェクトは世界にどんな影響を与えるか話し合うこと。そして自分一人でなく周りの人(パートナー)と協力し合う事。それで解決へと向かうのでした。
言われてみたら当たり前だけどなかなか実行できない対話、皆さんもぜひ日常レベルから意識してみてください。最後までお読みいただきありがとうございました。