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  • 2022年4月4日

【対談】日本の寄付文化を再構築する啓蒙活動に取り組まれている 一般財団法人日本寄付財団 代表理事 村主悠真 様 ✕ パラリンアート創業者理事

取材・テキスト
パラリンアート管理者

先日パラリンアートが開催したアートコンテスト「Innovation AWARD 2022」
にご支援をいただきました、一般財団法人 日本寄付財団 代表理事 村主悠真様に
パラリンアート創業者理事の松永がお話をお伺いしたいと思います。

一般財団法人日本寄付財団https://nippon-donation.org/

この度は、パラリンアートの活動にご支援をいただきありがとうございました!

御団体の事業内容ですが、国内外を問わない全社会課題解決への助成事業とお聞きしておりますが、日本寄付財団についてどの様な理念の活動なのか、お聞かせください。

村主
世界平和のために社会課題を全て解決することが目標です。
中でも二つの目標があります。
一つ目は日本の寄付文化を再構築することです。
失われた30年というこの日本で、中流層がいなくなり、下流層に押し下げられた日本の現状に真っ向から向き合い、寄付文化を中心とした新しい経済圏の構築を追求したいと思っています。
二つ目は、いわゆる社会課題だけではなく、資本主義というものに”取り残された人達”の新しい救済手段になれればと思っています。

松永
日本の“寄付文化を再構築”という言葉がありましたが、日本人が寄付文化に慣れ親しんでおらず、諸外国からすると寄付的なマインドが少ない為、意識改革をされていくということでしょうか?

村主
そうですね。
そもそも寄付とは、共助の精神によるものであり、もともと日本はそういった意識が強い国ではあります。しかし、現在は経済成長や様々な要因から、寄付や共助の精神が希薄になっているように思います。

一方アメリカではキリスト教の影響もあり、寄付が起こりやすい社会になっています。
特にアメリカは成功者が多い国ということもあり、“成功者が寄付をする”という、良い文化形成がなされていますね。
その様なことも含めて、日本が学べることは学び、真似するではないですけど近づいていけたらなと。
日本では、「ふるさと納税」が寄付扱いとなっていますので、そういったもので寄付金額は増えてはいますが、それはちょっと寄付とは違うよねって人たちも多いので、根本的に近い人間・隣の人間を少しでも助けるという考えをもう少し広げていけたらなっていうのはあります。


しかし、現状の寄付税制の問題点として、寄付をする側の“メリットが少ない”ということが挙げられます。さらに、寄付をした人に対して「売名行為」だとか「偽善」というネガティブなイメージを持つ方が多い傾向にあり、これが根本的な問題だと思っています。
僕自身も寄付をしていると発言すると、未だに「目立ちたいんですか?」や、「いい格好したいんですね」と、普通に言われることがあります(笑)。
しかし、敢えてやり通すことで、少しでも何かしら周りの意識を変えていけるのではないかと思っています。

人間の本質的なこととして、それなりに恵まれた生活ができている人間が、出来ていない人間を支える、本当はその様な精神でみんなが動いてほしいと思いますが、それは理想論であってなかなか実現は難しいですので寄付するきっかけは「ポイントが付与されるから」、「税制的なメリットがあるから」等の理由でも良いと思います。寄付をしないより、寄付した方が良い、そういう文化が日本にも更に広がっていうために、僕たちの活動もより活性化させていきたいと思っています。

松永
村主さんが日本寄付財団を立ち上げるきっかけや、どんな思いから始まった団体なのでしょうか?

村主
これまで色々な世界を見ていく中で、支援が必要な国があまりにも多い。たまたま日本という恵まれた国に生まれたことを生かして、何かしらの形で貢献していきたいと常々思っています。
世界平和を考える上で、いわゆる資本主義の中で金融や企業経営だったり、全ての物事を「お金を増やす」という観点で若いうちから見てきたので、自分の知見だったりをこの非営利組織・団体へ少しでも活かすことができたらなという思いがあります。
僕らは、障がい者の支援だったり、子供の貧困の支援だったり、直接的な活動はなかなかできません。
であれば、僕たちが出来ないことをやっていただける方や団体へ、僕らの特技というか武器である“お金”や“資本”を使って、貢献していけたらなというのがそもそもの発端です。

松永
ありがとうございます。
日本寄付財団のホームページに「助成事業として、児童、青少年、高齢者および障がい者の支援、地域社会や環境改善のための活動、芸術やスポーツの振興、発展途上国への支援など、社会的な課題に取り組む団体への助成プログラムを本格的に開始しました」と記載されていますが、優先順位や、最初は広く関わっていくのか、どの様な手順になるのでしょうか?

村主
なるべく広範囲に色々な方、たとえば伝統文化なども含めて、網羅したいなという思いがあります。まずは、子どもの貧困問題等の社会課題に優先的に支援していきたいと考えています。

松永
寄付財団となりますと、ファンドレイジングチームのような、要はインカムも強化しながら、そして助成先も吟味しながらという両輪だと思うのですが、ファンドレイジングの方はどの様な方達が関わっていらっしゃるのでしょうか?

村主
僕が関わっている企業やファンドの資本を中心に運営しています。
寄付集めをするという行為自体の時間効率があまり良くないというのは以前から感じていました。現在、寄付集めをしなくても良い状態になった為、日本寄付財団をスタートさせたという前提があります。とはいえ、僕らだけの資本では限りがありますので、ある程度外部からの寄付もお願いしながらという考えはあります。
寄付集めに対してリソースを割くよりは、支援する団体さんとのお付き合いに、なるべく時間を使っていきたいというのはありますね。

松永

ありがとうございます。
最後の質問なのですが、村主代表はアートにご興味をお持ちなのでしょうか?
また、どんなきっかけで、アートに意識が向かれたのでしょうか?

村主
僕はこれまでいろいろな勉強をしていくなかで、数式で証明や表現ができる物理や数学がずっと好きだったんですね。ですので会社経営や、資本を動かすとか財務的な動きは数式で見えるものがあるので、凄く考えやすいものだと。

だだ僕が好きな音楽や芸術というものは、数式では表現できないんです。
同じアーティストの作品でも“これがいい”とか、作品によっては“日によって感覚が異なる”とか。音楽もそうなんですが、僕にとっては数値で表現されない表現しきれないものとしてすごく魅力があるんです。それらが芸術にはまっているというか、魅力を感じ続ける大きな理由です。
また、音楽や芸術で大成する為には、勿論才能があることが前提なのですが、そこに運や支援が必要なんだと思い、僕が別で行っている芸術支援の財団では、美大生、芸大生を中心に支援させていただいています。
アートは、社会課題や貧困にくらべると、どうしても贅沢品のように思われがちです。もちろん水や食事や安全というのが満たされて初めて出てくる欲求ではあるので、途上国支援も含めて、そういった生死の境に生きる人たちを救うというのは大前提であります。ですが、芸術やスポーツというのは、人間としての豊かさを表現力する重要なものだと思います。
そんな中、「アートなんか支援している暇があったら貧困で食事に悩む方を支援しなさい」等のご指摘もあります。勿論、僕たちも同じ思いがあるんですが、「貧困で食事に悩んでいない方には何もしなくてもいいのか?」という考えもあります。
いろんな可能性というのも模索したいという思いが強くあります。

障がい者アートというものは、今まで表現出来てないというか、見落とされてきた部分だと思うんです。“障がい者アート”という目線だけで見られてしまいがちですが、今回のパラリンアートさんの開催されたコンペテーマ「未来の超人類」は、新しい人類の可能性を模索したテーマであると共感し、賛同させていただきました。コンペを通じて障がい者アートの可能性をなるべく広げていければなと思います。

松永
支援の形には人それぞれの思想があるので、我々は障害者といっていますが、他の方たちからすると「食べ物に困っている子が優先だろう」とかの意見もありますね。

村主
そうですね。
そもそもペットの殺処分を支援する方でしたら、優先は「困窮」より「命」となる訳です。
それってキリがなく、何が正解かわからない。宗教論争みたいになってしましますし、難しいところですね。
なので、僕らは全方位に支援させていただくことを目標にしています。

生活が裕福な方々に対して、「貧困で苦しんでいる方へ寄付をしましょう!」と訴えたところで、「はい!出します」って訳にはいかないと思うんですね。
ただし、お金がなくてもできることは沢山ありますし、少しでもそういったところに目線を向けていただける方が増えれば、ちょっとずつでも世界は変わっていけると思います。

世界でいろいろな揉め事がありますが、少しでも僕らができる「隣人愛」を少しでも感じていただけると、何かしら大きなムーブメントとなって世界を変えて行くことができると信じています。
そういった思いに少しでも目を向けていただける方が一人でも多くなると嬉しいなと思ってます。

日本寄付財団について

『非意識という考え方』
現在、我々が豊かな生活を遅れる基礎になっている社会システム、資本主義。
人々に富を与える反面、資本主義というもの自体が自由競争を煽り、その結果、格差を拡大し続ける構造であるため、一部の超富裕層と、その他大勢の貧困層という極端な格差社会が広がり続けています。

日本寄付財団はその利益至上主義がもたらす多くの社会問題、放置され続ける課題に真正面から向き合いそれらを解決、改善するための精力的な活動を行う団体の支援を目的として設立されました。

また、助成事業として、児童、青少年、高齢者および障がい者の支援、地域社会や環境改善のための活動、芸術やスポーツの振興、発展途上国への支援など、社会的な課題に取り組む団体への助成プログラムを本格的に開始しました。

さらに我々日本寄付財団は、市民一般による「非営利団体」への寄付の拠出の仕組みを再構築し、より良い社会の創造とこれからの日本の寄付文化を醸成し、その規模を世界規模に広げた上で「世界が抱える社会課題全ての解決」と「幸福度の平均値の底上げ」を目指します。

そして貨幣経済の欠陥を補うべく、人類の「非営利の意識」を高めることで、利益至上主義の暴走を抑制し、この美しい地球を次の世代に胸をはって引き継げるための一助になればと考えております。

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