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  • 社会
  • SDGs
  • 2019年12月31日

プレゼンテーションに活かすSDGs~SDGsとは⑤~

皆さんこんにちは!~SDGsとは~連載シリーズもいよいよ最終回となりました。今回はスポーツ団体を題材に「プレゼンテーションに活かすSDGs」というテーマでお送りします。

はじめに

2020年はいよいよ東京オリンピックパラリンピックが開催されますね。それに伴って今、世界中が日本のスポーツシーンに注目しています!

この機会に認知度向上を狙うスポーツ団体は多いことでしょう。私の所属する団体もその一つです。私は全日本学生サップ連盟という団体を運営しています。この団体とサップ競技をもっと多くの人に知ってもらいたい。そしてサップを人気スポーツにしたいと考えています。
(補足)全日本学生サップ連盟とは
SUP(Stand Up Paddle)という大きめのサーフボードの上に立って漕ぎ、競争するマリンスポーツ。団体所属人数は79名(2018年度)HP:https://sup-students.com/

上手くいかないマイナースポーツのPR

サッカーや野球のように誰もが知っているスポーツならともかく、私がPRしたいのはサップです。まだまだマイナースポーツです。ほとんどの人が知らないので、最初はガムシャラに「大会を見に来ませんか?」と声をかけまくっていました。中には大森君がいうならと観に来てくれる人もいました。

しかし、あくまでもサップに興味をもってくれた訳ではありません。繰り返し来てくれる人はなかなか現れませんでした。困った私は、次のアクションとして様々な交流イベントに参加しました。人前で話す機会をもらい「サップってすごいんです!」と熱弁しました。

ですが、お客さんの反応は微妙。想いは全く届きませんでした。次第に周りからは「サップ、サップうるさいやつ」と白い目で見られる始末。完全に自信をなくしていました。

そんな時、とあるイベントである団体のプレゼンテーションに私は魅了されました。

スポーツと社会の接点を意識したプレゼンテーション

そのプレゼンテーションは、一般社団法人ストリートラグビーアライアンスによるものでした。

2019年に日本中が熱狂したラグビーW杯前の出来事です。まだ世の中にとってラグビーは関心の外。マイナースポーツといっても良いくらいでした。それでも彼らが開催するストリートラグビーは、すでに開催回数100回以上、20,000人以上の一般人が参加するビッグイベントでした。その秘訣はプレゼンテーションの中に全てつまっていました。

①社会への貢献ファースト

団体を運営している方たちは大好きなラグビーを広めたい!という想いを当たり前のように持っているのですが、その想いを口にするよりも先に、「ストリートラグビーは社会にどう貢献するか」の観点から語り始めていたのです。

②SDGsのゴールを活用

社会にどう貢献しているかをわかりやすく説明するためにSDGsのゴールを活用していました。
大きなゴールを話してから具体的にストリートラグビーを紹介。聞いていた私はストリートラグビーをやりたくなっていました。

協賛(スポンサー)獲得

ストリートラグビーアライアンスのホームページによるとANAをはじめたとした大企業が協賛していることが分かります。CSR活動に関心の高い企業にとって、SDGsを掲げて活動するスポーツ団体は魅力的な投資対象になるのではないでしょうか。

SDGsを掲げるということは、一過性の取り組みではなく、持続性のある取り組みである必要があります。その点がストリートラグビーが高く評価される理由かと思います。
参考)ストリートラグビーHP(https://street-rugby.com/
日経ソーシャルビジネスコンテスト(https://social.nikkei.co.jp/final2018.html

マイナースポーツは自分たちのプレゼンテーションを見直してみよう

ストリートラグビーのプレゼンを聞いてすぐ、いてもたってもいられなくなった私は急いで帰宅。寝食忘れてプレゼン資料の作り直しに没頭しました。それがこちら。

【変更前】

これはプレゼン一枚目です。
このスライドでは
①団体コンセプト
②所属人数
③大会開催実績
を順を追って話していました。作り直していく過程で気がついたのは、「これらの情報はほとんどの人にとって一番最初に知りたいことではない」ということです。

【変更後】

こちらが変更後のスライド1枚目です。
①国連が採択したSDGsの紹介(30秒)
②SDGsゴール起点の活動紹介

②の資料を作成する際、今までと違った視点で自分たちの活動みつめることができました。すでに実施していたサップレース競技は、

  • 「競技を目的とした継続性のある練習文化」「健康促進に着目」→SDGs のゴール3

に繋がることがわかりました。そして、SDGs起点で新しい取り組みが生まれました。

  • 「海洋プラスティックゴミ問題に着目」「サップを使った水上ゴミ拾い(月1回)の実施」→SDGs のゴール14を設定

このようにプレゼンにSDGsを活用すると、①既存活動と社会との接点の見える化、②SDGs起点の新しいアイディアの2通りのメリットがありました!

果たして成果は?

プレゼンテーションを刷新してから、明らかに話を聴いてくださる方のリアクションが変わりました。私が話している時に頷いてくれる人が増えました。また私自身にも変化がありました。社会への貢献を実感できているので、自信を持ってプレゼンできるのです。

そして1番の成果は、私たちを応援したいと企業の方からお問い合わせをいただいたことです!企業からの協賛を諦めていただけに感激でした。プレゼンにSDGs視点を加えるだけで大きな成果が生まれたのです。

まとめ

スポーツ団体が資金を集める際、企業からの協賛は不可欠な事だと思います。従来、企業のCSR活動は一度きりのイベント主催や協賛が多かったのですが、近年SDGsが登場してから持続可能な取り組みを重視する傾向が強くなっています。

つまり、SDGsを考慮した持続可能な活動・団体運営が欠かせなくなってきているのです。そして何よりもSDGsを考慮することで活動と社会の接点が見えてくることは大きなメリットになります。

この記事が皆さんのプレゼンの一助になれば幸いです。


大森 正也

早稲田大学創造理工学部総合機械工学科卒業。数値流体解析の研究を通じてコンピューターサイエンスに夢中になる。個人でWebサイト制作などの受託開発経験を経て法人化。サップというマリンスポーツの選手。2018全日本選手権9位。海や川で活動する中で地球環境問題に強く関心を持つ。SDGsが掲げる持続可能な国際社会への貢献を心がけている。

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