皆さんこんにちは!この記事はパラリンアート村山が不定期でお届けする会社訪問連載企画です。
記念すべき連載10回目の今回は、館内に400点以上のアート作品を展示しており、滞在することでアートに触れるクリエイティブ体験ができる「パークホテル東京」さんに訪問してきました。
アートホテルの先駆けであるパークホテル東京でアートディレクターを務める藤川 欣智さんと、広報担当の早乙女 恵美さんにインタビューしてきました!
最後にお二人が選ぶ「パークホテル東京 おすすめスポット」のご紹介もありますので、是非最後までご覧ください!!
手前:藤川さん 奥:早乙女さん(撮影の時のみマスクを外しております!)
まるで美術館!?アートホテルとして進化したきっかけ
村山:館内に入った途端アートがたくさん飾ってあって、まるで美術館にきたような感覚になるのですが、こんなにたくさんのアートを飾っている理由やきっかけがあれば教えてください。
藤川:きっかけは、約11年前の東日本大震災でした。その時に日本の、東京のホテルとして私たちにできることは何かとホテルのスタッフで話し合いをしました。私たちは日本の良さ、日本の文化を伝える役割を担えるのではと考えました。その表現方法の一つとして選んだのが「アート」です。私たちなりの「おもてなし」を感じていただくことを目指しました。
村山:館内にある作品は日本の作家さんのものが多いのですか??
藤川:そうですね、日本の作家さんが非常に多いです。
あとは展示のテーマでいうと通常、アーティストやアート作品を主体として展示をしていることがほとんどだと思うのですが、パークホテル東京では春・夏・秋・冬を大テーマとして、日本の四季を表す展示を行っていることが特徴です。
村山:季節ごとに訪れたくなりますね!飾るアート作品ですとか、展示方法はどなたが決めているのですか?
藤川:ギャラリストさんやアーティストさんの選定に関しては私が担当していて、作品のキュレーションはギャラリストさんが行っています。
村山:藤川さん自身、もともとアートはお好きだったのですか?
藤川:最近になってその質問をされるようになってきて、改めて自分ってどうなんだろうって考えることがあります(笑)思い返すと学生の頃、美術は得意科目ではありました。
それこそ高校の美術の先生が厳しくて、5段階評価の5を滅多につけてくれない先生だったんですけど、高校3年の3学期に5を付けてもらったりとか。
村山:すごいですね!僕なんて2以上とったことないです(笑)
藤川:もともと10年ほどバーテンダーをしていたのですが、その経験上、何かを表現するという意味では極端な話、カクテルもアート作品だと思うんですよね。
自分で作ったものが、誰かにわたって喜んでもらえたり、感想をもらえたりすることが嬉しくて、やっぱり見ることよりは作ることの方が好きなんだなと感じたことがありました。
今はアートをつくる側ではなくアートを扱う側になって、どうしても知識が必要だと思うようになり、40歳前後で芸術大学へ芸術教養を学びにいきました。
村山:ここのお仕事もされながらですよね? お忙しい中すごい、、
藤川:はい。まぁそう考えると、アートに関わることが好きだからできたのでは思っています。
すこし回りくどくなりましたが、要するにアートは好きですね(笑)
村山:(笑)藤川さんは絵を描いたりするのですか?
藤川:今は描いてないのですが、少し前に社内の美術部でお酒を飲みながら絵が描けるArtbar Tokyoというお店で久しぶりに描きました。
村山:どんな絵を描いたのか見てみたいです(笑)Artbar Tokyoずっと気になってました!!
藤川:うちに飾ってあります(笑)
そこのバーは誰でも気軽に絵を描けるようなところになっていて非常に楽しかったです。
展示へのこだわり
村山:館内いたるところに掲出されているアート作品ですが、展示に対するこだわりってありますか?
藤川:美術館やギャラリーは白い壁があってそこに飾る形ですが、ホテルという特殊な場所で、それこそいろいろなものがあり雑多な中でどう見せるか。
通常、ホテルの中にあるアート作品はBGMみたいな存在で、あまり主張せず馴染んでいる展示の仕方をするのが基本なのですが、パークホテルではアートを全面に出して見えてくるような展示をしています。
美術館って作品との距離があるじゃないですか。
パークホテルでは、作品との距離をなるべく近くすることです。
触ろうと思えば触れちゃうくらいの距離で、アートを楽しんでもらうことを心掛けています。
村山:すごく近いですよね。あと色んなところに飾ってあるので、宝探ししているみたいでワクワクします。写真撮ってSNSに投稿してもいいんですよね??
藤川:はい、館内にあるアートすべてOKなので、どんどん投稿してください。
村山:藤川さんはパークホテルさんで「アートディレクター」というお立場ですが、具体的にどんなお仕事をされているのですか?
藤川:主な仕事は常設展を含めると、ホテル内では通年8つの展示販売を同時に開催しておりますので、ギャラリストやアーティストとの交渉を行い、通年展示が行われるようにすることです。
また、ホテルスタッフへ、少なくともホテル内に展示してあるアートの情報は伝えられるようにアートの啓発活動も行っております。
年に4回アートインフォメーションを作って一般公開もしているのですが、スタッフ用にはより詳しく書いてあるアートブランドマニュアルを作成して配布しています。スタッフにもアートに興味を持ってもらって、お客様に伝えることができるようにする、そんな橋渡しのようなことが主な仕事です。
藤川さん作成のアートインフォメーション(画像クリックで閲覧できます!)
村山:アートを飾るようになってから、変化したことってありますか?
藤川:アートを扱うことで、お客様とのコミュニケーションをより深くするという狙いもありまして。お客様とホテルスタッフの1対1の関係性よりも、そこに1つアート作品があることによってより深い会話が生まれたりして、1歩踏み込んだコミュニケーションがとれるようになったことです。
もっと言うと、お客様同士にも会話が生まれたりしています。「この作品面白いね」「この作品よくわかんないね」とか。ここでしかできない体験というものがアート作品によって生まれるのは見ていて嬉しいですね。
村山:アートが館内いたるところにあると自然と会話が弾みそうですね!そのアートの中にパラリンアートも常設で展示いただいていますよね。
藤川:もう5年くらいになりますかね。パラリンアートさんの活動理念に賛同し、今では2フロアの常設展示を行っています。ホテル業を営みながらパラリンアートのアーティストさんたちと「共に生きる」社会を歩むことができることを垣間見ることができました。この活動を経て、私たちパークホテル東京としてパラリンアートアーティストさんたちの活動のお手伝いを継続的に行っていければと思います。
29階と32階(客室階)回廊に「パラリンアート ミュージアム 展」を常設展示いただいております!
日本の美意識が体感できる時空間
村山: パークホテル東京さんでは、どんなアート体験ができますか?
藤川:ホテル館内をアートを見ながら散歩できる「ART walk(アートウォーク)」があります。ホテルスタッフと、ホテル館内のアート作品を見て回るプログラムを作っています。最近では、お客様が自分のペースで楽しめるようにオーディオガイドを聞きながら館内を回れる音声ガイドも始めました。
音声ガイドイメージ。パンフレットに記載されたQRコードをスマートフォン等で読み取ることで、ホテルの様々なスポットや展示作品についての音声ガイドを聞くことができます。
藤川:アートの解説というより、その場所の展示の解説が入っています。パークホテルのコンセプトとして「日本の美意識が体感できる時空間」を掲げていますので、アートホテルではあるのですがそれをメインにしているわけではなく、日本の良さ・日本の文化を伝えることに重きを置いております。パークホテルの「しつらえ」も説明していますので、そういうことを感じて回れるツアーになっております。
村山:すごく楽しそう!体験してみたくなりますね。
早乙女:あと3月14日まで、宿泊の方かレストランご利用の方に限るのですが、アートウォークの中では通常公開していない「アーティストルーム」も3部屋公開するキャンペーンもやっていますので是非この機会に体験してみてください。
※詳細は下記URLを是非ご覧ください‼
https://parkhoteltokyo.com/ja/news/campaign-numano/
2022年2月に完成したばかりの33室目のアーティストルーム「草花」(画家・沼野 伸子)
村山:今後計画しているイベントなどはありますか?
藤川:アーティストルームを継続的に増やしていくことは考えています。アートを扱う目的としてコミュニケーションを挙げましたが、ただ作品を飾るのではなくて、その中でアーティストルームはレジデンス活動としてやっています。作品ってもともとあるものではなくて人が創っているものなので、アーティストルーム制作中のアーティストさんの気配を感じられるようなホテルにできたらいいなと思っています。
村山:アーティストさんも制作中はホテルに滞在しながらなんですか?
藤川:はい、基本そうですね。レストランで食事してもらったり、それこそスタッフとコミュニケーションなども取ってもらったりしながらですね。ホテルってハード面ばかり注目されがちですが、人がホテルを創っているので、ちゃんと人の気配が感じられるようなホテルを目指しています。
余談にはなるのですが、パークホテルでは従業員を「アーティスト」だと思っていて、パークホテル東京というアート作品を創っていると考えているのですね。従業員ひとりひとりの行動がパークホテルという作品を創っている。だからこそひとりひとりが意識を持って接客をしたり、パークホテル東京が何をしなければいけないのかしっかり理解することを徹底したりしてしかなければと思っています。
村山:かっこいい(笑)根幹にそういう想いがあるからこそ、魅力いっぱいのホテルになっているんですね!
藤川:ありがとうございます。今後もパークホテル東京は、世界中のゲストを迎えるホテルとして、アートを媒介に共通価値の創造をし、アーティスト支援・貢献の役割を果たし、社会に必要とされる企業を目指していきたいと思っています。
パークホテル東京 おすすめスポット
村山:それでは最後に、お二人が選ぶパークホテル東京おすすめスポットを教えてください!
藤川:まず一つ目が、ブルールームという予約制の個室にあるアート作品。こちらは、アーティストルームを作成した馬籠 伸郎さんの作品です。
藤川:よく見てみると、手をつないでいる河童が一つの絵になっているんです。
村山:遠くから見ても模様のように見えて綺麗ですし、近くで見ると表情もしぐさも様々な河童が繋がってて面白いですね‼
※馬籠 伸郎さんが担当したアーティストルーム紹介はこちらからご覧になれます。
藤川:2つ目が、アーティストルームの山水。作家は山田 純嗣さん。この作品は非常に繊細で細かく鉛筆で描かれています。このお部屋は、写真では伝わらない魅力があります。リアルだからこそ伝わるエネルギーを感じていただきながら、お泊りいただける作品となっております。
※山田 純嗣さんが担当したアーティストルーム紹介はこちらからご覧になれます。
早乙女:次は、ホテル内のバー「ザ ソサエティ」のバーカウンターです!
村山:夜景も綺麗ですし、カウンターがライトアップされていてなんともオシャレな空間ですね!
早乙女:ありがとうございます!ホテルとお客様の接点はいくつかありますが、中でもバーカウンターはお客様との距離が近くて、接触時間が長いといいますか、ホテルサービスの醍醐味を味わえる場所だと思います。女性一人でもお立ち寄りいただきやすいと思いますし、ぜひスタッフとの会話を楽しんでいただきたいです。
藤川&早乙女:最後は、アトリウムからの景色です!
25階のハウスゲストラウンジは二つに分かれています。一つは、10階吹き抜けの空間で、枯山水をテーマとした絨毯が貼られているエリア。もう一つが、東京のシティービューを借景として、空をテーマとした絨毯が貼られているエリア。どちらもおくつろぎいただけると思いますが、中でもこちらのエリアは東京タワーと富士山の饗宴が見事です。ぜひお立ち寄りいただき、ここからの眺めも一つのアートとしてお楽しみいただきたいと思います。
写真では伝えきれないほど絶景です!
取材を終えて
取材のついでに館内の一部をご案内いただきましたが、どこをご案内いただいてもテンションがあがるほど、アート体験ができるホテルです!アートお好きな方はもちろん、非日常体験がしたい方は是非一度足を運んでみてください!
パークホテル東京
〒105-7227
東京都港区東新橋1丁目7番1号
汐留メディアタワー(フロント25F)
【公式HP】https://parkhoteltokyo.com/ja/