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  • コラム
  • 姫野桂
  • 2020年6月11日

生きづらい人のサバイバル術 居場所は3つ持っておこう

「なんでも屋さん」が合わない人も

最近、おうち時間を使って趣味でツイキャスの配信を始めました。コメント欄には皆さんからの相談事が並ぶこともあります。私が書いている本や発信の内容からか、発達障害の傾向のある方や、メンタル疾患を抱えている方、性的マイノリティなどで生きづらいリスナーさんが多い傾向にあります。

その中でも「居場所がない」「人付き合いが苦手」というコメントは先日印象に残りました。今回はそんな方に向けて、少しでも楽になる方法をお伝えできればと思います。

居場所とは直接は関係がありませんが、私がライター講座に通っていた時代、恩師の切通理作さんから教わったことを思い出しました。それは、「ライターとして生き残るためには3つ専門分野を持ちなさい」ということです。時代の流れでもし1つのジャンルが廃れてしまっても残り2つがあるので、それを書きなさい、ということでした。

当時の私はまだ専門分野など決めていませんでしたが、講座のコースは「ノンフィクションコース」を選んでいました。ここで、ざっくりとしたジャンルは決まっていたように思います。

そこから紆余曲折を経て、現在の私は発達障害を含むメンタル疾患当事者の取材・福祉や社会問題・性やジェンダーに関する問題、この3つをメインに書いています。しかし、欲を言うとあと1つ、何か専門分野がほしいなと思っています。(たまに大学案内などのパンフレットは手掛けています。教授や専門家の話を聴くのが好きなので)

ライターさんの中には専門分野を持たずとにかくどんなジャンルでも引き受ける「なんでも屋さん」もいます。それは否定しませんし、それで成功している方もいます。しかし、私にとって「なんでも屋さん」は合わないことがいろいろなジャンルの取材を通してわかりました。

さて、少し話がそれてしまいましたが、これは居場所や人付き合いにも同じことが言えるのではないでしょうか。

一つしか居場所がなかったらそこに依存してしまい、もしその居場所がなくなってしまった場合、行き場がなくなってしまいます。私の場合、同じ趣味(ヴィジュアル系バンドの追っかけ)の友達、新宿二丁目の飲み屋さん、物書き仲間。この3つが居場所になっています。

精神疾患を抱えている方は当事者会に参加してみるのもいいでしょう。しかし、当事者会は合わない人もいます。これを書くと偏見と言われそうですが、特に発達障害系の当事者会はトラブルが多いです。

人付き合いが苦手だったり強すぎる個性の持ち主が集まっているので何かが起こると踏まえておくといざトラブルに巻き込まれたとき、ダメージが少なくて済みます。そして、その際は必ず誰か第三者に相談してください。

長期的な人付き合いが苦手な人は1日限りのイベントへ

当事者会が苦手だと感じた人は、他にも気軽に参加できるイベントバーなどで仲間を探すのもいいのではないでしょうか。また、最近ではネット上で同じ境遇の人や自分と近しい人と知り合う方法もあります。

しかし、ここで気を付けてほしいのが、怪しげな詐欺団体や悪徳なスピリチュアル、ぼったくりな上に搾取系のオンラインサロンに引っかかってしまわないようにすることです。(もちろん安心・安全なオンラインサロンもあります)そこに依存してしまうと周りが見えなくなってしまい、お金だけでなくそれまで大切にしていた友人をなくしてしまうことさえあります。少しでも違和感を抱いたら、すっと身を引くのがベター。

また、これは私の新刊『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)でもご紹介したハックなのですが、長期的な人付き合いが苦手な人はFacebookの「イベント」欄でアップされているイベント(BBQや飲み会など)に参加し、1日だけのコミュニケーションを楽しむという手もあります。その日1日だけ多くの人たちとパーッと楽しめれば、それもまたその日限定の「居場所」と言えるでしょう。

フラットな気持ちでいこう

しかし、今のご時世、個人的に外出自粛を続けている人もいるでしょうし、イベントもほとんどオンライン。なかなか人に会えません。そんな中、私は友達とLINE電話やビデオ通話をする時間が増えました。やはり、文字だけのやり取りより声を聴けたり顔を見られたりしたほうが心の安定に繋がります。

孤独は人の心を貧しくさせます。心が貧しくなるとますます人との繋がりや交流が絶たれてしまいます。人付き合いが苦手な方はこのループに苦しむケースが多いです。自分に合った居場所を3つ見つけることはハードルが高いことかもしれません。でも、意外なところに出会いは転がっているものです。

意気込んで何かのイベントに参加したところで空回りしてしまうこともあるので、なるべくフラットな気持ちで「仲間」や「居場所」を探していければと思います。

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