何度も書いては書き直してを繰り返しすぎて5月は更新できませんでした。
もっと気楽に、日記くらいのテンションで書いてみることにします。
私は今年の3月に28歳になったのだけど、いい加減大人にならないとみっともないなと日々反省している。
私はとんでもない妬み嫉み辛みの化身だ。
人に会えばまず「██って人知ってます?最近チェックしてるんです」と話題を切り出し、次に「この人、くる(売れる)気がするんですよねぇ」とチェックしている理由を述べ、最後に「こーいうのがやっぱいいんですかねぇ」と皮肉を込め締める。私あるあるだ。
不思議と私の「この人売れるかもしれない」センサーは職業問わずかなり感度が高い。目をつけた人は大体しばらくすると突然でかい仕事を告知宣伝をするようになる。(気のせいかもしれない)
打撃率が高いだけにこのセンサーが反応した時は、とても不穏な気持ちに襲われてしまう。
ここ最近、イラストレーション業界がアートブームに乗っかってますます加熱気味だ。イラストレーターは飽和状態だし、にもかかわらず志望者や新規参入者はかなり多いだろう。
誰かが新たに土壌に上がってくるということは、自分の存在感もその分薄まるということだ。
特に今はコロナ禍なので現実に顔を出すタイミングも少ないから大変だ。忘れられないようにするには、人との繋がりも大事にしつつ、仕事以外の絵もこまめにアップして存在感をアピールしたいところ。
しかしそれはもともと売れているとか良い絵を描いているとかの場合だ。
これは軽い自虐ネタなので軽く読み流しては欲しいが、実は私は仕事を貰えるようになるために「実績がないからとりあえずフォロワー増やしてハッタリかますしかない!」という戦法で初動を起こしたような人間。
ハッタリであることがバレた日には一体何がどうなってしまうか……間違っても「仕事が無くなる」なんて言葉は不吉なのでなるべく口にはしたくないものです。
額には汗がたらたら。これが私が先ほど述べた「不穏な気持ち」の正体であることはきっと理解していただけただろう。
つまり(何がつまりなのかわからないが)、私の「こーいうのがやっぱいいんですかねぇ」という一言には「この人の絵の方が私のより良いってことがみんなにバレたら私は仕事が無くなりますよね、そしたら私、どうしたらいいんでしょうか?」という意味も込められているのだ。
どうしたらいいだなんて聞かれても大抵の人は困るだろう。私もそんなことを聞いても仕方ないのはわかっている。
しかし、そしたらこの「どうしたらいい」の行き場が無くなってしまう。
ずっと自分の中に行き場のない不穏を飼っておくのは不健康だし嫌だ。かといって本音を語ることもできない。
一体どうすればいいんだ…どうすれば…たまり溜まったものが噴水の如く噴き出る。ここまできたらもはや自分ではコントロール不能。
自分も苦しいし、相手の表情を見てさらに落ち込む。
こういう時はすぐに直そうとするのは経験上アウトだ。今度は直せない自分にイライラして新たな苦痛を増やすせいで、余計に生きづらくなってしまう。
そこで参考にしたいのが犬のしつけだ。
犬をしつける時に絶対に欠かせないのは、1に褒めること、2になるべく叱らないことだ。
やり方としては10回中9回失敗したとしても叱らず、1回でも成功したなら大袈裟に褒めてあげるだけ。すると犬は学習してだんだん成功率を上げてくるのだ。
細かく書けばいろいろあるが、成功率を上げるために”工夫”をするというのが最大のポイントだろう。
犬にできるならば自分にもできるはず。
まずは自分のどういうところを直したいのかきちんと文字化する。
私の場合は「相手を不快にさせることを言わない」だけど、これだと悩みが大きすぎるしなんだか抽象的だ。子犬にいきなり「おすわり」と言っているようなものだろう。
成功率を上げるためには直したいことをもっと細分化したほうがいい。そうすれば1つ1つのハードルが下がって飛び越えやすくなる。
そして細分化したうちの1つでもクリアできたら、とにかく自分を褒めてあげるのみ。
1.仕事が無くなるとか余計なことを考えない
2.他人(の功績や絵)を受け入れる&認める
3.少しでもジェラシーがあったら口を閉じる
4.わざわざ自分より売れそうな人を探さない
5.自分と他人を比べない
6.SNSを見過ぎない
7.不穏な時は人と会わない&連絡しない
私の場合ならざっとこんなところだろうか。
今のところは2と4がクリアできている。6は最近いい感じ。1と3はまだまだ時間がかかりそう。
難易度がまだ高いと感じたところはもっと細分化するといいかもしれない。どうせ自分のことなのだからいくらでもハードルを下げたってよいのだ。まだまだ試行錯誤中だけど余計なストレスは前より減ったなと思う。
無事全クリできれば、つまらないことで他人を苦痛にさせずに済む。そう思うと天国が待っているような気持ちになる。
是非皆さんも自分の「しんどいなぁ」と思うところを直すときには、この犬のしつけ方式でやってみてはいかが。
oyumiプロフィール
1993年生まれ、静岡出身。2014年当時運営していたブログがきっかけとなり、イラストレーターとして活動を開始。ポップで渋いイラストを得意とし、web や雑誌・書籍、広告、グッズなど幅広い媒体でイラストを起用される。2019 年には自身のエッセイ本「非・映え女子」出版。