読者の皆さんこんにちは。わたほんライターのさゆと申します。
今日はアトピー性皮膚炎について、書かれた一冊をご紹介すると同時に、医療を受けることがSDGsにどのように関連していくのか、その関係性についてお話していこうと思います。
治療ジプシーを救う1冊
アトピー性皮膚炎は皮膚科に通院し、医師の監修の仰ぎ治療を進めるのが一般的な治療方法ですが、その一方で多くの民間療法に関する情報もあり、医師の元での治療ではなく、民間治療の門を叩く患者さんも多いと聞いています。
しかし、民間療法にも様々な種類のものがあり、中には悲しいことに親身に患者さんのことを考えているとは言い難い療法があるのも事実です。民間治療に多くの金額を支払ったものの、症状の改善が見られず、頭を抱えている患者さんが多いことはご存じでしょうか?
今回皆様にご紹介したい一冊は発売すると瞬く間にベストセラーとなった、大塚篤司氏の著書『世界最高のエビデンスでやさしく伝える 最新医学で一番正しい アトピーの治し方』です。この本は現役皮膚科医師がアトピー症状を抱え、治療方法に迷っている患者さんに向けて書かれた渾身の一冊となっています。
アトピー治療中の方はもちろん、アトピーで悩まれているご家族を持つ方、アトピーの治療に関心をお持ちの方は、この本の帯に書かれている通り、「どうかこの本を最初に読んでください。」 アトピーの患者・家族に向けた最新で最高のエビデンス(医学的根拠)を、本書から得ることができます。
私もこの本を読みましたが、今までに知らなかった情報がたくさん掲載されており、今までアトピー治療に対して様々な思い込みを抱いていたんだなと、この本を読みこれまでの考えを改めることが出来ました。
最新の医学情報がこの1冊に
本書の目次部分を下記に引用させていただきました。
はじめに
序章 皮膚科医がずっと言えなかったこと
第1章 間違ったアトピー治療法を見分ける方法
第2章 誰も教えてくれなかった「アトピーの正体」
第3章 民間療法をエビデンスで検証する
第4章 最新医学で一番正しい治し方とステロイドのウソ・ホント
第5章 その他の治療法と新薬について
第6章 かゆみを抑える方法と生活習慣
終章 アトピー医療のこれから
あとがきにかえて
本書では今までのアトピーに関する本では明らかにされなかった領域にも果敢に踏み込み、世界で一番新しい情報を展開しています。
また、著者の大塚医師は新薬の研究にも従事されており、現在開発が進んでいる新薬に関しての情報も掲載されて、興味深く読み進めることが出来ました。
2018年に承認された注射剤デュピクセントは、2019年4月からは自己注射も可能になりました。まだ治験の段階ではありますが、2019年時点で新薬が次々に開発され、2020年に販売予定の薬もあります。
これらの新薬が世に広まることで、これまで以上に多くの患者さんが救われた世界を想像することが出来、明るい展望が開けたように思います。
民間療法のウソ・ホント
私が一番感心を持ったのは第3章、「民間療法をエビデンスで検証する」です。エビデンスとは、医学的根拠という意味です。
著者である皮膚科医の大塚篤志氏はアトピー治療の現場において、医師と患者の心の行違いが、民間療法に頼る患者を生む原因なのでは?と指摘されていたのが印象的でした。
本書では現在数ある民間療法について、それぞれの医学的根拠、エビデンスを元に検証しています。
アトピーを治療する際にも、その治療方針に関わる根拠、エビデンスは重要と言えるでしょう。一般的には、エビデンスがきちんと確立されている治療法が、患者にとって一番いい方法(治療法)であると言われています。
ステロイドに関するウソ・ホント
第4章では「最新医学で一番正しい治し方とステロイドのウソ・ホント」と題し、多くの人が気になっているであろう、ステロイド剤との付き合い方について著者の大塚医師が詳しく解説してくれています。
アトピー治療では皮膚科に通院すると、はじめに処方されるのが「外用ステロイド剤」です。ステロイド剤は非常に効果のあるお薬ですが、ステロイドに対する誤解や医師の指示よりも少なく使う、処方された箇所以外にも塗ってしまうなどの間違った使用により、効果が薄くなるという所見もあり、その使用に関して様々な意見が飛び交っています。
病院でステロイド剤を処方された際には、使用に際して担当医師からアドバイスをしっかりと受け、疑問が生じた場合には医師に質問して解消しましょう。本書の中でも塗布する際にはどのくらいの量を塗るのか?ステロイド剤の適切な使用期間についてなど、エビデンスを元に説明されています。
また現在民間治療を行っている患者、脱ステロイドを考えている患者を含め、いろいろな事情の患者へ向け、本書ではそれぞれに合う使い方を担当医師と模索していく事を推奨しています。
アレルギーのウソ・ホント
本書ではアトピーに限らず、アレルギー体質の方が知っていると役立つ情報も掲載されています。第6章「かゆみを抑える方法と生活習慣」をご一読ください。
かゆみを抑えるための薬、抗アレルギー剤のことからかゆみを抑えるために日常で気をつけられること、お風呂の温度・化粧品の選び方についてなど、内容は広範囲に及んでいます。
私も持病として日光アレルギー(紫外線アレルギー)を持っています。持病を持っているが故、改善を目指し自分なりにいろいろ勉強していますが、本書を読んでかゆみなどの皮膚症状が出てしまった時に参考にしたいと思えるような新しい知識をたくさん得ることが出来、とても心強く感じました。
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著者が考えるアトピー治療の目指す姿とは?
大塚医師の考えるアトピー治療の最終形態は、患者さんが薬に頼るのではなく、保湿剤だけで肌の状態をコントロール出来る状態へ持っていくことだそうです。
アトピー性皮膚炎は炎症が起きている皮膚だけの治療で済むものではなく、現時点で健康な皮膚の保湿を徹底するなど、肌を保護していくという面でケアの仕方も重要と言えるのではないでしょうか。
肌の保湿については、赤ちゃん向けの保護クリームもたくさんあるように、幼い頃から適切なケアをする、という意識が広がって来ています。
アトピーの家族歴がある118人の乳児を、生後1週間から32週までの間、十分な保湿をしたグループと乾燥したところだけをケアしたグループにわけて観察したところ、アトピー発症率が違うことが明らかになりました。全身の保湿を毎日行った乳児はアトピーの発症率が低いことが分かったのです。保湿はアトピー性皮膚炎の予防にも治療にも有効であると、いうことがこの研究から見て取れます。
保湿と言えば、感想する秋から冬にかけて重点的に行うもの、肌の弱い人が丁寧に行うこと、という意識がありましたが、老若男女、そして季節に関係なく、保湿は快適なコンディションを保つ為に行うもの、ということを学びました。
今は肌タイプに合わせた様々な商品(例:繰り返す頑固な肌荒れに!つけた瞬間にわかる「しみない」やさしさ 【温泉酵素発酵コラーゲン】サラヴィオ美容液 初回限定トライアル1,000円(送料無料))が販売されているので、ご自身の肌悩みにあった商品を見つけてケアを続けてみて下さいね。
医療を受けることとSDGs
2016年から2030年まで、各国で取り組んでいる「持続可能な開発目標」SDGsには17の目標があります。最近ではSDGsに関するイベントも各地で行われており、SDGsについて考える機会が個人レベルでも増えてきたように感じます。私たちのような市民がSDGsに参加出来ることには何があるのか考えてみました。
SDGsの目標の中に「3、すべての人に健康と福祉を」という項目がありますが、この項目は、個人でも参加しやすく、達成が可能な目標と言えるのではないでしょうか?
また、「12、つくる責任、つかう責任」という目標に関しても私たち個人で達成が可能な目標であると考えることが出来ます。
治療法や薬を使用する際には医師から与えられるばかりでなく、我々患者が自分で選び、学び、つかう責任があると私は考えています。
アトピー性皮膚炎の治療で言うと、怖い薬だとステロイド剤を敬遠せずに正しい使い方を知ること、どうしても気になる治療法があれば、勝手に治療方法を変更せず、主治医に相談することなどだと思います。
これらのことが私たちに出来る「つかう責任」を全うするということに繋がるのではないでしょうか。
そういう意味では病気の治療も、個人でできる「持続可能な開発目標」に貢献出来ると言えるでしょう。自分や身近な大切な誰かの健康を守ることが、引いてはSDGsの達成につながっていると言えるのかも知れませんね。
季節の変わり目に差し掛かっています。皆さんもぜひ健康管理に留意して毎日を過ごされて下さい。