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  • 2019年10月28日

【都道府県によって異なる!?】小学校に通うことが困難な医療的ケア児

皆様こんにちは。NPO法人アンリーシュの金澤裕香です。

読者の中にはお子様がいて、小学校に通っている方もいらっしゃることと思います。小学校でよく学び、よく遊んでいらっしゃいますか?小学校という場は、子どもたちとって、社会性を身に着ける初めての場所なのかもしれません。

今回は、医療的ケア児の小学校問題についてお話できればと思います。

 

医療的ケア児が小学校に通うためには

人工呼吸やたんの吸引など医療的ケアを必要とする子どもが小学校に通うためには、保護者による終日の付き添いが必要です。理由は通学する際や学校で過ごす際に、万が一のトラブルに備える必要があるとされていたからです。

しかしそれでは、保護者の負担が大きすぎます。子供が学校に通うためには事実上、親のどちらかが付き添いのために仕事を辞めなければなりません。保育園時代は様々な制度を使い、母子分離が実現し働くことができたとしても小学校に上がる年齢になると、付き添い問題が顔を出す・・・。今、医療的ケア児を育てる家族はそんな悩みを抱えています。

付き添うことが難しいため、小学校に通う事を諦めてしまう家庭もあります。そういった子どもたちは自宅で訪問教育を受けることもあるのですが、多くの場合、1週間に2-3時間ほどの教育時間しかなく、勉強量は足りていません。また勉強する時間が確保できたとしても訪問教育では友達と触れ合う機会がありません。

障がいや医療的ケアがあっても、他の子どもたちと同じように学校に行き、勉強したり友達を作りたいという思いは一緒です。

一般家庭と同じように、子どもは学校に行き、親は(望めば)働く・・・。

こんな当たり前のことが医療的ケアがあるというだけでなかなか難しくなってしまいます。

 

小学校に家族が付き添わなければいけない理由

医療的ケアが必要な子どもが小学校に通うため、親が付き添わなければいけない理由は大きく2つあると思います。

一つは医療的ケアを行う人材が不足している事。小中学校に看護師さんが十分に配置されていれば医療的ケアを行うことはできます。しかし地域によっては看護師が少なく、雇うことが困難な地域があります。

もう一つは、学校の中で安全をどう確保するかという事。現在の教育現場では、学校で何かあったら校長先生が責任をとることになっています。これはこれで校長先生も大変です。だから前例やなじみがないと、医療的ケア児を受け入れる場合、親の付き添いを学校側が強く希望しています。

 

このように小学校の通学するために親が付き添わなければいけない事態は、単に「そういう制度だから」で片づけられるものではありません。仮に制度が変わったとしても、付き添いなしで小学校に通うためには乗り越えなければいけない問題はたくさんあります。

 

東京都が変わる

そんな中、東京都の教育委員会は、2020年から保護者による終日付き添いなしでも都立特別支援学校に通えるようにすることを決めました。

今回の決定は、「親の付き添いなしでも小学校に通えるようにしてほしい」という親の要望に、都が応える形になりました。対象となるのは、体が不自由な子どもたちが通う十八校(二十三区十校、多摩地区八校)です。

都は今回の決定に至るまでに、世田谷区や武蔵村山市で終日付き添いなしで子どもたちが過ごすモデル事業を始めていました。そこでは看護師が人工呼吸器を操作する研修を行ったり、緊急時の連絡体制を整えるなど試行錯誤し、準備を整えたうえで今回の決定に至りました。

これは、小学生をもつ親にとって、すごく明るいニュースです。なぜなら子どもたちは友達と一緒にいることで、家では見せない表情をするし、発達もしていくからです。子どもが家の中=親子だけの関係でなく、社会とつながっていくことは自立に向けた一歩だからなのです。

子どもに障がいや医療的ケアがあっても、将来成人した時に自立できるようしていくのも親や社会の役割だと私は考えます。

 

まだまだ付き添いが必要な地域はたくさんある

東京都のように親の付き添いがなくても小学校に通えるようになっている地域はいくつかあります。千葉県がすでに同様の対応をしておりますし、神奈川県は検討を開始しているようです。

また、大阪府では看護師が同乗する介護タクシーによる通学が2020年からスタートするなど、東京・千葉よりもさらに進んだ取り組みを行う準備をしています。

しかし、残念ながらこれらの支援制度は都道府県ごとに違っているのも現状です。東京・大阪などの大都市はいいが地方はまだまだ困るといったこともあります。

医療的ケア児は年々増加傾向にあります。

今後も就学・通学に関する悩みをもつ医療的ケア児とその家族は増えていくことでしょう。各自治体には早め早めに支援制度を整えてもらい、暮らしやすい社会を実現していってもらいたいと思います。

 

医療的ケア児が小学校に通えるようになるために

医療的ケア児は、全国で約18,000人と非常にマイノリティな存在です。よって、多くの学校関係者が医療的ケア児のことをほとんど知りません。医療的ケア児が暮らしやすい社会を作るためには、まず「知ってもらう」ことが大事だと考えています。文部科学省からも学校における医療的ケアの今後の対応について、各都道府県に通知をしていますが、私たち住民からも都道府県や教育委員会に提言していく必要があります。

もし医療的ケアが必要なお子さんが学校の通学問題に困っていたら、各都道府県の教育委員会にまずは相談してみると良いと思います。

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