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  • コラム
  • NPO法人アンリーシュ
  • 2019年10月17日

医療的ケア児が暮らしやすい社会に取り組む地方自治体

皆様こんにちは。NPO法人アンリーシュの金澤裕香です。
今回は、医療的ケア児(者)の暮らしやすい社会にむけて、各地方自治体がどのような取り組みをしているのか、そして取り組むにあたってどんな課題があるのか、私たちはどのように自治体と向き合っていけばよいのかみていきたいと思います。

高まる保育ニーズ

現在国内に1.8万人いるとされている医療的ケア児は年々増加しています。そして医療的ケア児を両親(家族)だけで介護するのは負担が大きいため、保育ニーズが高まっています。
しかし、どこでも保育ができるわけでなく、保育所等で医療的ケア児を受け入れることができない都道府県も存在します。
受け入れが進んでいない理由を見てみると、

  • 人材・予算確保が困難
  • 市町村としての方針の周知やニーズ把握が不十分
  • 対応経験が少なく、ノウハウの蓄積が困難

などがあげられます。(みずほ情報総研調べ)

医療的ケアがあっても普通の子どもと同じように保育園で生活し、「楽しかった」「嬉しかった」「悔しかった」「悲しかった」経験をすることで成長し、発達していくのですが、残念ながらそれが叶わない市区町村があります。
現在、このことが社会問題として注目され始めています。

どんな障がいや病いがあっても、みんなと同じように保育や学びができるように願っている医療的ケア児とその家族はたくさんいます。

 

医療的ケア児支援を積極的に進める自治体もある

保育所等で医療的ケア児を受け入れることができない自治体がある一方で、いち早く支援事業を立ち上げた自治体もあります。
例えば栃木県宇都宮市は、今から10年以上前の平成19年から重度心身障害児者医療的ケア支援事業を重点的に取り組んでいます。

平成19年当時は、施設が2カ所しかなく市外の利用者もいたため、(混雑もあり)宇都宮市民が利用したい時に利用できる状況ではありませんでした。
この状況を改善するため、医療的ケアを重点化し「宇都宮市重症心身障害児者医療的ケア支援事業」が創設され、平成20年度より事業を開始しました。

現在、宇都宮市では26の庁内外の関係部署・機関による「宇都宮市発達支援ネットワーク会議」が設置されており、この会議で医療的ケア児の支援機関連携の協議を重ねている模様です。

また、埼玉県朝霞市は、2019年4月に医療的ケアが必要な子供の保育を実現するため、居住型訪問保育事業を導入しました。
朝霞市はもともと医療的ケア児の保育の要望を聞くことはしていましたが、集団保育が難しい子どもに対しての受け入れは難しく、お断りをしていました。
しかし、具体的な要望がお母さん達からあがってきたこと、そして受け入れ先の事業所が見つかった事で居宅訪問保育型事業が開始されました。

宇都宮市や朝霞市のように、自治体が市民の声を聴き、事業化するケースは近年、少しずつではありますが増えてきています。
自治体の中にも、子育てがしやすいまちづくりを目指しているところはたくさんあります。
一市民として声を上げ、行政に訴えかけていくことは、簡単なことではありませんが、とても価値あることだと思います。

住んでいる街の支援事業を確認する

自分の住んでいる街がどのような支援があるのか・・・それを知るには、まずは市役所や区役所のHPをチェックしてみてください。最新情報は、必ず市役所のHPに掲載されます。また、様々な情報を得たいという場合は、Googleアラート(https://www.google.co.jp/alerts)が便利です。こちらに気になるキーワードを登録しておけば、関連情報を効率よく収集することができます。

例)Googleアラートを使って、医療的ケアに関する情報収集をする

 

このようにネットを使って、基本的な情報収集ができたら、次に市役所や区役所に行き、保育や就学支援について相談することをおすすめします。ネットではわからないことを教えてくれたり、個別の家庭の事情にも相談にのってくれると思います。

ぜひ地方自治体の支援事業や制度をよく知り、うまく活用していきましょう。

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