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  • コラム
  • 姫野桂
  • 2019年7月31日

パワハラやモラハラに遭いやすい? 発達障害女子ならではの悩みとは。

取材・テキスト
姫野桂姫野桂

 私事ですが最近、発達障害に関する講演会が増えました。当事者以外からの生の声も直接いただくようになってきて、改めてこの障害を多方面から考えているところです。さて、今回のテーマは女性の発達障害について。発達障害を掘り起こすと、実はジェンダーの問題とも繋がっているんです。

女子だから家事や片付けができなきゃいけない?

 ADHD(注意欠陥多動性障害)が知られるようになった要因の一つにサリ・ソルデン著の『片づけられない女たち』(WAVE出版)があります。こちらの本は「片付けられないのはADHDの特性のせいかもしれない」といったことが書かれています。

 男性も女性も、小さい頃から「男なんだから泣くな」とか「女の子なんだからおしとやかでいなさい」など、親や周りの大人に言われて育った方も少なくないと思います。しかし、男性だから泣いてはいけないという法律も、女性だからおしとやかにしなければいけないという法律もありません。言ってみればこれは、ジェンダーの刷り込みです。

 その刷り込みの中に「女性だから家事や片付けができなきゃいけない」というものも含まれています。ADHDの特性で優先順位がつけられず、作業の段取りが苦手な人は家事や片付けに時間がかかったり、いつまでも取りかかれなかったりします。それを「女の子なんだから家事や片付けができなきゃいけない」と責められると、かなりつらいものがあります。取材をしたADHD女性の中にも片付けられない方がおり「人からガサツだと言われた」と嘆いていました。

 もちろん、男性でも女性でも家事や片付けができたほうがスムーズに日常生活が送れます。でも、それを女性にのみ厳しく当たるのは違うのではないでしょうか。

パワハラ・モラハラ・セクハラをしてくる男性の共通点

 そうやって、「女の子なのにだらしない」と言われて育った発達障害女子は自己肯定感が低い傾向にあります(もちろん、発達障害男性も同様にできないことが多くて怒られて育っているので自己肯定感の低さに悩む方は多いです)。

    そして、自己肯定感が低く「自分なんてダメだ」と思っていると、つい、おどおどしてしまったり、嫌だと思ったことに関しても受け入れてしまって自分の意見を言えなかったりします。そのような自分に自信のない女性はパワハラやセクハラ、モラハラの標的にされる確率が高いです。

 実際、私も自己肯定感が異様に低く、そのせいでモラハラされた経験があります。のちにモラハラしてきた男性に、なぜそんな嫌がらせをしてきたのか訪ねたところ「人の顔色をうかがい、おどおどしていてはっきりしないから、イライラしてしまった。」とのことでした。

 また、取材した発達障害傾向のある女性も、今まで勤めた会社すべてでパワハラを受けたと語っていました。パワハラやモラハラ、セクハラをしてくる男性には共通点があります。それは、言い返してくるような自己主張の強い女性には危害を加えないことです。精神的に弱そうな女性を狙います。彼らは標的を選んでいるんです。

 と言っても、いきなり明日から自己肯定感を高めること難しいです。まずは弱い自分やダメな自分を認めた上で、何か小さな成功体験ができたら自分を褒めてあげることから始めてみましょう。そして、何事もフラットな目線で考えると、明らかにおかしい場面や声を上げて批判をしてもいいシチュエーションが見えてくるはずです。自己肯定感が低いからと言って焦らず、少しでも楽しく生きていく方法にシフトしていきましょう。

 

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