皆様おはようございますこんにちはこんばんわ。今回は、タピオカブームから読み取れる商売のお話でもできればと思います。
タピオカドリンクブーム
タピオカ、ブームですね。都内はもうどこ行ってもタピオカミルクティー売ってます。ファミリーマートさんでもタピオカミルクティーフラッペ出し始めてもう世の中タピオカまみれです。
さすがに巣鴨(通称おばあちゃんの原宿)には進出してないだろうと思ったら、ありました。東季17(トキセブンティー)さん。
なんていうか、巣鴨なのに新大久保みたい。
この通り猫も杓子もどこもかしこもタピオカです。
そもそもタピオカって何?
そもそもタピオカって何かご存知でしょうか。タピオカの原料は「キャッサバ」というイモの一種だそうです。
※画像 : 本格派ティースタンド“THE ALLEY” 7月5日(木)中目黒に、7月6日(金)東京ソラマチ(R)に新規2店舗、上陸! / PR TIMES
そう、もとはお芋です。でんぷん質ですね。要は炭水化物です。ミスタードーナツさんのポン・デ・リングの食感を生み出すためにも使っているそうです。
元々の起源は南米とのことですが、1980年代に台湾で中国茶に入れちゃったらいいんじゃない?でタピオカミルクティーが誕生しました。
日本でタピオカドリンク店が大量発生
そんなタピオカドリンク店、いまものすごいスピード感で増えています。
株式会社Apassionateさんが運営される「émotta tokyo」メディアさんを参照しただけでも、都内で約100ブランドが参画しています。
1ブランド5〜10店舗を運営しているだけでも、その数500〜1000店舗。タピオカドリンク店で最も有名な「Gong cha(ゴンチャ)」さんの売上は2016年12月期と2018年12月期を比較すると約10倍になっています(帝国データバンク参照)。
今回は、なぜこれだけ流行りこれだけのスピード感で拡大しているのかを、お金の流れから考えてみます。
出店時の敷居の低さ
ものが流行る要因は様々な角度からアプローチできます。
その要因のひとつに、お店を出す時の敷居の低さは大きなポイントだと思います。雑誌SPA!6月11日・18日合併号を参照させてもらうと、こんなことが記載されていました。
タピオカドリンク店出店について
・首都圏で5〜7坪ほどの店舗3店舗分確保(元々タバコ屋とかやっているような店舗サイズ)
・賃貸契約/保証金/手数料/内装や看板で費用合計700万円
・400円で販売しているタピオカミルクティーの原価は約10%(ミルク30、タピオカ5.5、茶葉2円)
・一番成功している店舗分だと、月に6,000杯売れ(1日平均200杯)、粗利216万円(400円×90%×6000杯)
・そこから家賃21万円、人件費80万円、光熱費等を差し引く
・3店舗の月額純利益は300万円弱/月
お店作ったことある方はご存知でしょうが、敷居が低いです(もちろんリスクはありますが)。3店舗で費用計700万なので、1店舗なら230万円、レンタルキッチンカーとかにしたらさらに安いことでしょう。
色々な要素が発生してのブーム
ビジネス目線で言うと、今もなおどんどんタピオカドリンク店が増えている理由がこれでわかります。
実際は、日本人が元々日常的に飲むお茶の要素、SNS映え、海外から入ってきたモノ(パンケーキ的な)、店の回転率のはやさ、初期コストや原価の安さ、と様々な要素があります。時には誰かが仕掛け、運も味方し、ここにたどり着いた感があります。
ここまで書くと、タピオカドリンク店作ったほうがいいじゃん!!となるかもしれません。が、本当にそうでしょうか。というのも、仕事をしていると頻繁に下記アドバイスいただくことがあります。
「飲食店経営はやめておきなさい。」です。
きちんと順を追って考えてみると、その言葉の背景を感じ取れます。
なぜ飲食店経営のリスクは取るなと言われるか、それは、飲食店は初期に必ずコストがかかります。
そうなんです。今の世の中のとてもいいところは、WEBのほうがはるかに手軽にやり始めることが出来ます(モノによりますが)。また、リアルの場所にお店を構えるので、自分以外の要素に影響を非常に受けやすいです。
タピオカ店もよくよく見てみましょう。1店舗だけ作るとしたら230万円ほど初期にかかります。
月に6000杯売っていれば、2ヶ月半で損益分岐点を迎えます(はやい)。こう見るととてもいいですよね。でもこの2ヶ月半の間に下記のことが起きるとどうでしょう。
・月4000杯しか売れなかった
・タピオカブームがいきなり去った
・近くにライバルタピオカドリンク店が出来た
・アルバイトがTwitterに炎上動画載せた
そうなんです。これ全部起きうることです。4000杯しか売れないと、家賃や人件費は変わらないので月額純利益は40万円ほどになります。そうすると、初期コストの回収に6ヶ月かかります。その間に他項目のことが起きると。。。
タピオカブームから学ぶこと
ブームの初期段階か、上記コストが最悪回収できなくてもOKという状態であれば、タピオカドリンク店出店は大正解と思いました。もしくはもっと原価がかからない出店(キッチンカーとか)であれば、やってみるのはありかもしれません。
とはいえ、まだまだブームは続くかもしれませんし、都内から離れた各都道府県で大きく展開するといいかもしれません(無責任)。
結局、何をするにしても、やりたい!面白そう!という心の動きと覚悟が大事だろうなと思いました。そして、その何かをやりだす時は、起こりうること(ポジティブもネガティブも)を想定して、起きたときに次の動きも視野に入れておくことは、同じくらい重要だと思いました。
このタピオカブームがどこに向かって、当初から参画しているお店、流行りだしで始めたお店、今から始めるお店がどうなっていくのか見ながら、またひとつ学んでいきたいと思います。