皆様はじめまして。
今回オウンドメディア「キクエスト」のスタートにあたって、連載させてもらうことになった、中井と申します。
社会的意義が高いことを発信していくことがテーマであるとともに、取材対象の知らない世界をお見せすることがテーマの本メディアです。
まったくもってそんな意義深いことを書ける自信がありませんが、少しでも何かが生まれるようにこれから書いていきます。
というわけで、何を発信していこうかなとうんうん気張っている中テレビを観ると、メジャーリーグシアトル・マリナーズのイチローさんが、日本でプレーをしていました(3/19読売巨人軍とのプレマッチ)。
レジェンドイチローさんです。御年45歳、1973年10月生まれ、体脂肪率は6%。
オセロゲームが初めて商品化された年に生まれ、おニャン子クラブ全盛期に育ち、パパ活で外の娘を育てる
45歳がいる中、ストイックに現役真っ最中です。
そんな45歳にして現役選手であるイチローさんですが、様々な要因もあり、オープン戦の成績も芳しくなく、引退がひとつのテーマになっています(この記事がリリースされている時は大活躍しているはずですが)。
※と思ってたら、3月21日に引退を発表されました。
引退。生きながらにしてスーパースターであるイチローさんの引き際は、どうなるのでしょうか。引退するイチローさんは想像できませんが、「最後までイチローらしかった」、という締めくくりになることでしょう。
※そして事実、メディアからSNSまでイチロー祀りでした。
この、「最後までOOらしい」というように、引き際というのは、その人らしさが如実に現れるなあと思いました。
何かをやめるとき、退く(しりぞく)ときは、いくつになっても訪れます。
親と一緒にお風呂に入るのをやめるときから、部活引退、恋愛で別れる、アルバイトをやめる、仕事転職、夫婦関係終わる、友達関係をやめる。俺は人間をやめるぞ!ジョジョーーーッ!。
ずっと、そしていきなり、やめるときは訪れます。
生きている限り、はじめることと、退くことの繰り返しです。終わりがあるから始まりがある。
さよならの向こう側は、はじめましてでした。
人生の最後も現世から退きます。 そのやめ時に、その人の人生は透けて見えます。
例えば、私は昔吉本芸人でした。
そもそもボケる時緊張するので、芸人だったのかすら怪しいですが、芸人でした。
量産型の何をしたいかわからない大学生活を過ごし卒業したそのままに、面白そうという何となく精神でNSC(吉本の芸人養成所)に入りました。
NSC卒業後は、コンビで活動するものの、突如訪れるオーディションよりその日に入っているバイトを優先し、漫才大会に出た後の先輩芸人からの飲みのお誘いも断り、でも売れたいと思ってネタは一所懸命作り、
週一くらいのペースでコンビで漫才を披露していました。
あきらかに努力の仕方と方向が完全に間違っているのですが、その時は自分大正解の年齢なので、ゴーゴーヘブンどこまで行こうヘイイエーイ(SPEED)状態です。今ではいい思い出です。
そんなこんなで、そんな生活を数年続けていましたが、ある日の舞台終わりのあと中野の家に帰宅途中、ふと思いました。
「あれ、そういえば俺舞台で漫才するの、そこまで好きじゃないかもしれない。」
ふと、です。てくてく歩いているときに、ふと、です。
ふと、じゃねーよ。
ここで、何も成し遂げていない芸人生活に引退が訪れました。
でもすこぶる前向きなので、とりあえず気のせいかもしれないからと思って、そこから1年ほど続けました。そうしたら現職に出会い、そこで本当にやめました。
人生はわからないものです。
このやめ方を例に見ると、計画性のなさと思慮の浅さが溢れています。
- ものごとを深く考えずとりあえずやる
- 面白そうと思ったらとりあえずやる
- やってからでないとどうなるか想像できない(しない)し、なんとかなると思っている
- 仲がいい人以外と関わろうとしないから、努力の方向間違いに気づかない
私は、こういう体験を経て学べたので、(ほんの少しは)ステップアップした気がしています。
何かを引く時、やめる時というのは、その人自身、キャラクター、価値観、人間性が現れます。
うまくいっている時にやめる、うまくいかなくなってやめる、すぐにやめる、うまくいってからやめる。
そのタイミングや、その時の行動や発言は、ある種追い込まれた状態なので、如実にその人が見えてきます。
そしてその瞬間は、自分自身を知り学ぶ瞬間にもなり、付き合う人を選ぶ瞬間、人を見極める瞬間になります。
自分の引き際、人の引き際を一度見てみると面白い発見があるかもしれません。
これを読んだ方が、離れていかないことを願いつつ、少しでも参考になれば幸いです。
4/17補足
その後調べてみたら、「人はほとんどの経験をピーク(最も感情が高ぶった瞬間)とエンド(最後の印象)の度合いで判断する」
という法則を、行動経済学者のダニエル・カーネマン氏が1999年に発表していました。