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  • コラム
  • 2019年4月16日

発達障害とグレーゾーン。生きづらいあなたへ。

みなさん初めまして。ライターの姫野桂と申します。

主に社会問題系に関する取材を行っており、昨年、発達障害当事者を取材した『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)を刊行したところです。

 

最近よく耳にする「発達障害」。どのような障害なのか、今まで専門医や当事者を取材した立場から簡単に説明いたします。主に以下の3種に分類されており、この中の2種、または3種が混在しているケースも多いです。

 

・ADHD(注意欠如・多動性障害)

不注意(不注意優勢型)が多かったり、衝動的な言動(衝動性優勢型)が多かったりする。

・ASD(自閉スペクトラム症)

自分の世界に引きこもりがちで人とのコミュニケーションが難しかったり、特定の分野に関して異常なほどのこだわりを持っている。

・LD(学習障害)

知的な問題はないのに、簡単な計算や読み書きに困難が生じる。

 

これらは生まれつきの脳の特性です。

どこからどこまでが障害で、どこからが健常者というはっきりした線引きのできない、グラデーション状であり、症状の出方も人それぞれ。十人十色の障害です。

一言で言うと、「できることとできないことの差が激しい凸凹の障害」です。

何度も言いますが、特性はグラデーション状であるため、発達障害と確定はできないけど、どう頑張ってもできないことがある「グレーゾーン」という層が生まれている現実もあります。

 

かく言う私も発達障害当事者です。

私の場合、LDが一番強く、繰り上がりのある足し算・引き算ができません。

次に不注意優勢型のADHDの傾向があり、目の前にある捜し物をなかなか見つけられなかったりします。しかし、言語を操る能力には長けているので、こうやってライターとして仕事をこなせています。

 

発達障害当事者の困りごとは人それぞれですが、例を上げると以下の事例が多い印象を受けます。

 

  • 電話をしながらメモを取れない
  • 早めに取り組まないといけない仕事をつい先延ばししてしまう
  • 片付けられず、デスクの上がぐちゃぐちゃ
  • 忘れ物が多い
  • 時間の逆算が苦手で毎日のように遅刻してしまう
  • スケジュールのダブルブッキングをしてしまいがち
  • 職場での雑談に混ざれない
  • 悪気はないのに相手にとって衝動的に失礼なことを言ってしまう
  • 服装に無頓着でTPOに合った格好ができない

 

発達障害当事者は、仕事でミスを連発してしまったり、職場の人との人間関係を良好に保てなかったりといった理由から、転職を繰り返していることが多い傾向にあります。

また、失敗経験を積んで自己肯定感が下がったり、人並にできることが少ないストレスから二次障害としてうつ病や双極性障害、睡眠障害、自律神経失調症、ギャンブルや性などの依存症を併存していることも多いです。

私が取材した当事者の、実に9割近くが何らかの二次障害を引き起こしていました。

発達障害そのものより、二次障害のほうがつらいと語る人も多かったほどです。

 

ここまで読んで、もしかして自分も発達障害かも? と思った人もいるかもしれません。

しかし、働けないほど特性が強く、二次障害を引き起こして仕事や日常生活に支障をきたしている場合はできるだけ早い受診を勧めますが、そうでない場合、「単にできることとできないことの能力の差があるだけ」と事実を受け止めるのみで、深く悩む必要はないと、個人的には思っています。

 

また、ちょっとした工夫やハックを取り入れることでできないことを対処することは可能です。

例えば、忘れ物が多い人は、必ず持ち歩かないといけないもの(鍵、財布、パスモなど)をバッグインバッグにして、カバンを変えるときはそれごと入れ替える、作業に集中して時間を忘れて遅刻や別の作業に支障をきたしてしまう場合、スマホのアラーム機能を使う、など、小手先の技術でどうにかなることもたくさんあります。ですので、そんなに悲観的に捉えないでください。

 

現在、ADHDに関しては、コンサータとストラテラという2種類の薬があります。

これは人によって合う・合わないがあり、効果がある人は服用をして仕事や日常生活を送っている人もいます。こちらは主治医と相談の上、慎重に服用を検討する必要があります。

 

そして、家族や身の回りの人、職場の人が発達障害かもしれないと思った方もいるかもしれません。その場合、さりげないフォローや環境調整が必要となってきます。このあたりは、家族との関係や職場の雰囲気によってできることは限られてくるかもしれません。

 

見た目はごく普通に見えるからこそ、障害が可視化されにくく、生きづらさを抱えている発達障害当事者たち。そんな方たちがどうすれば生きづらさから解放されるか、私自身もこの連載を通して日々探っていきたいです。

 

姫野桂

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