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  • 2019年12月20日

日本の従来の性教育は古い?アメリカ合衆国の性教育現場。

取材・テキスト
為我井優子為我井優子

皆様、こんにちは。この記事企画では、キクエスト編集部が、日本国内外の社会課題に向けた施策を事例とともに紹介していきたいと思います。

初回となるこの記事では、性にオープンな国アメリカの教育現場における最新事例とともに国内での施策のヒントをお伝えします。

日本の性教育と言えば、保健体育の授業で身体や性の発達が中心の教科書を使用し、先生が読み上げる言葉やテキストの画像を見て男子生徒が茶化したり、生徒はちょっと気まずい雰囲気‥。令和になった今でも、日本の性教育は大きな変化がなされていません。

日本の性教育が、男女の体の機能についての知識や心身の発達に重点を置くだけでなく、より実用的なもの、例えば性犯罪やそこから身を守る方法等にアップデートされれば、未来ある10代が正しい知識を元に、安心して学校生活に専念できるはずです。
※東京都教育委員会サイトの性教育に関するページ 
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/school/content/about.html
※日本性教育協会「現代性教育研究ジャーナル」87号「わが国の性教育の現状と課題」https://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_201806.pdf

そんな中、アメリカでは様々な角度から”性”に対して積極的な議論がなされています。2019年には人工妊娠中絶の可否を巡って州毎に異なる政策が次々と打ち出され、対する抗議デモが州の選挙結果を左右するほどです。

Sexting、デートDV、LGBTQ‥


これらの単語をご存知でしょうか?
上記の単語は、すでにアメリカの教育現場において性教育の一環として生徒たちに教えられているワードで、日本でも他人事では済ますことのできない身近なトピックだと言えます。

ミシガン南西部にあるカラマズー公立学校は「Rights, Respect, Responsibility(権利、尊重、責任)」と題した現代の性事情をかなり手厚く反映した性教育方針のカリキュラムを採用しました。

男女の生体の違い、生殖、コンドームと避妊、妊娠といった従来の日本の保健体育の授業で学習する内容はもちろん、セクスティング、デートDV、性行為への同意、性同一、禁欲、いじめ、性的虐待、LGBTQ、性感染症等を項目に追加。

従来の性教育ではカバーしきれなかった、宗教的に、性的志向の多様化と共に教育現場に求められてきた多様性が反映されています。こうした多様性が求められた背景には、スマートフォンやSNSの普及が普及し、携帯を持つ若者が幅広い情報にいつでもアクセス出来る様になった事が一因しているとも言えます。

平成初期生まれの私の世代間では、中学生になるとやっとみんなガラパゴス携帯(ガラケー)を持ち始め、メールやゲーム、簡単なネット検索やプリクラ・デコ画像を保存して楽しむ程度でしたが、現代の若者はもちろんそれ以上の機能を使いこなしています。

実際にSNSのサイト閲覧制限は、中学1年生にあたる13歳頃にはLINE、Instagram、 Facebook、高校2年生にあたる17歳にTwitter、と主要なSNSへのアクセスが自由になります。(2019年11月現在)

SNSの普及と共に増加するセクスティング

例えば、”Sexting(セクスティング)”について。これはSex + Textingを組み合わせた造語で、スマートフォンなどから性的欲求を刺激するようなテキストや画像を送信する行為を指します。日本ではあまり馴染みがない単語ですが、出会い系アプリを使用している人であれば遭遇してしまうシチュエーションかもしれません。

Sextingの例としては、日本でも話題になったNetflixオリジナルの学園ミステリードラマ「13の理由」で観ることができます。主人公が自分の部屋で着替えている所を盗撮され写真共有されるというSexting被害に合い、それが発端となり自殺するに至ってしまうと言うなんともショッキングなストーリーでした。

現実でも、児童ポルノや別れた後に元恋人の性的な写真・動画を公に公開するリベンジポルノといった裁判問題に発展してしまうケースがあり、日本国内においても教育現場で共有すべきトピックではないでしょうか。

現代は、スマートフォンをほとんどの方がお持ちだと思います。私も留学中に親しく思っていた友人から唐突に送られてきた下半身の写真に気づかず、何気なく開いてしまい、その後数日間トラウマに感じた経験があります。

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