「心地よい空間で仕事がしたい!」これは、人生の大半をオフィスで過ごす会社員ならば誰しもが抱く願いでしょう。
今回は、オフィス仲介及び、内装デザイン提案営業としての豊富な経験を通じて、お客様に寄り添ったオフィス内装とオフィスの在り方を提案する株式会社studio S(スタジオ・エス)代表取締役の櫻井尚さんにインタビューさせていただきました。
不動産・オフィス仲介事業と内装事業の一気通貫でその先に見えるもの
———事業を立ち上げたきっかけはを教えてください。
僕は元々オフィス仲介業をやっていたんですが、オフィス仲介業はお客様に不動産を紹介して契約したらそれで終わってしまうんですよね。でもその後、契約して下さったお客様がどのようにオフィスで働き、どういう環境で企業成長しているのかという所まで見たくなったのです。
以前、上場会社の中の一事業部だった不動産内装業が完全分社化した際に、僕は中途でジョインさせて頂き、マネージャーという立場まで昇進させて頂きました。そこで不動産業と内装業を一気通貫して、お客様の不動産契約からその先の内装作りまでサポートさせてもらっていました。
その後、GMとして入っていた不動産オフィス仲介をやっていた会社の、もともとグループ会社だったメディア運営会社に内装業を当て込んで、2018年に僕が代表に就任して株式会社studio Sが始まりました。グループ会社でオフィス作りを一気通貫するという形にして。
———不動産業界に身を置こうと思ったきっかけはなんですか?
学生の頃は体育科を専攻していたこともあり、就職するならスポーツ関係で、と考えていましたが、その当時はスポーツインストラクターや福祉スポーツの給料がとても安かったんです。初任給が11万とかでしたね…。
そして、いろいろ就職活動をしている時に不動産業の総務の仕事に目が止まりました。初任給もまあまあいいし、ということで選んだのがたまたま不動産業でした(笑)不動産業に入ったら宅地建物取引士を取ろう!と…。
その後、不動産オフィス仲介会社に転職し営業マンをスタートさせました。営業の世界は数字が全てというところが分かりやすいのがいいなと感じました。数字を求める過程でお客様と深く関わっていくうちに、契約した後にお客様や企業がどうやって成長していくんだろう?ということが知りたくなりました。
たまたま不動産業営業で自分を試してみようと思ってやってみたら、そのお客様のその先がずっと見たくなったって感じです。直感と勢いだけでここまで進んで来たイメージですね。
———今後新しいサービスを提供されると伺いましたが、内容を教えていただけますか?
現在は不動産オフィス仲介と内装を通して、働き方や働く部分を全てサポートできるような体制でやっていますが、11月にまた新しく”YORISOI”というサービスを展開する予定です。
studioSの”S”は、speed・service・smile・snuggle up。 snuggle up は寄り添うという意味があります。
お客様にはやはり寄り添っていかないといけないと思っています。私たちの寄り添う=お客様が豊かに働けるようにすることだと思っています。
僕らの領域はオフィス作りなので、あくまでもオフィスや働き方に特化してお客様が豊かに幸せに過ごしていける環境を入口から出口までサポートする。企業の中に入って、問題提起や課題解決といったことを一緒にしていくサービスですね。オフィス環境のトータルコンシェルジュみたいなイメージです。
人と人との関係に垣根はない!フラットな職場作りがジェンダー平等や人や国の不平等をなくすことに繋がる
———御社でSDGs・社会課題に関連する取り組みはされていますか?
まだ小さな組織なので、正直SDGsをそこまで意識して取り組めてはいないのですが、これから話す3つの目標に関しては、事業を通じて貢献できていると思ってます。
まず事業そのものが、オフィス環境を整え豊かに働ける職場作りを目指していますので、SDGsのゴール#8「働きがいも経済成長も」そのものだと考えています。
また、会社はフラットな職場環境を目指しています。従業員も僕に意見をどんどん言ってくれますし、年齢や性別、国籍も関係なく、みんなが同じ立場だと思って接しています。これは、SDGsのゴール#10「人や国の不平等をなくそう」に寄与できているのでは、と思っています。
あとは#5「ジェンダー平等を実現しよう」に、僕は本当に共感しています。これは僕の考えですが、仕事をする際に男性や女性という性別は本当に意味のないものだと感じています。実際、うちのナンバー2は女性ですしね。体力的な違いこそあるかもしれませんが、もっと女性が活躍する場が増えていけばと、そういう社会になればと思っています。
———SDGs・社会課題などに関心を持ったきっかけはどのようなものでしたか?
学生時代に体育科を専攻していたんですが、その時に障がい者スポーツ施設に実習に行って、障がいを持っている方と一緒に2週間過ごしたことがあります。障がい者といっても知的障がい者の方もいれば、事故で片足になってしまった方や下半身が不自由な人がいたりしました。皆ハンディがあっても、すごく前向きにスポーツに取り組んでいたのが印象的でした。
それまでの僕は、障がい者の方に対して少し距離を置いていた部分が正直あると思っています。しかし、その研修で皆さんと出会い、皆すごく楽しそうに生き生きと活動している姿に心を打たれました。僕らに一緒にカラオケ行こうよなんて声をかけてくれたり。 そんな時ですかね、人と人との関係には垣根はないなと感じたのです。
その時の経験から、どんな人にもフラットに接せれるようになり、”不平等”や”差別”をなくそうと意識するようになりました。
———”働きやすい職場作り”を築く中で意識していることはなんですか?
みんなが働きやすい環境やフラットな組織を作るように主張していますが、僕は承認欲求というものは誰しもが持っていて、その承認欲求が満たされているからこそ、褒められた時や怒られた時に身に染みるものだと思います。組織作りをしている中で個々を見て、個々に対してスポットを当ててあげるということをやっていると、みんな自信をもって自分の意見を発信してくるんですよね。
仕事に対する責任や行動も前向きになってきて、少しだけ手を抜いてしまおうとか、とりあえず仕事を納めてしまえ、みたいなことがなくなっていきます。それが会社全体のパフォーマンスの向上にも繋がっていると思います。
うちの会社は責任や自信というものをみんなが持ってくれているかなと思ってます。
———上司や社長がちゃんと見てくれている、という意識がそうさせるんですかね?
僕が上場会社にいた時代にそうしてもらったんですよね。
すごく怒られたけど、やはりすごく自分のことを見てくれていたと当時を振り返って思います。叱られたとしても、そこには愛があり本気を感じました。いつも褒めてくれる人じゃなかったんですが、褒めてくれた時は本当にテンションがあがりました(笑)
だから僕も、人に対してもそうしてあげられる人間になりたいと思い、社員にもそのように接しています。皆にも、この先そうなってくれたらいいなと思っています。
会社のビジョンは360°笑顔!
———これから御社で取り組みたいSDGs・社会貢献活動やテーマはありますか?
当社は内装をやっていますが内装材のリサイクルの観点でお話すると、環境保護にもっともっと取り組んでいきたいと思っています。SDGsの目標でいうと、#13「気候変動に具体的な対策を」、#14「海の豊かさを守ろう」、#15「陸の豊かさも守ろう」ですね。
仕事で木材を使っているので、内装の建材のリサイクルは意識して行っています。
具体的にいうと、パーテーションは転用できますし、造作家具の木材も再利用できるし、床に貼る50cm角タイルカーペットは剥がしたら捨ててしまうんですが、とっておけばまたリサイクルできますよね。
事業として少しずつ取り組めているのですが、他の会社さんや従業員を含め、業界全体でもっと意識したほうがいいんじゃないかと訴えていきたいです。
あとは、具体的なビジネス展開案はまだないのですが、オフィス内装を作っているので#12「つくる責任つかう責任」を意識した取り組みもしていきたいなと思っています。
———昨今のコロナウイルスや地震や天災など予想できない猛威が社会を襲っていますが、こういった不安定な時代を生き抜くうえで大切なことはどんなことだとお考えでしょうか。
助け合い、与え合い、思いやりなど、周りへの意識をしっかり持つことだと思います。自分中心じゃなくて、周りの人がどう幸せになれるかを考えることが大切だと考えています。
うちの会社のビジョンは「360°笑顔」です。
360°笑顔とは、自分から360°振り返った時に周りにいる人みんなが笑顔になれるようなものを提供できる人間になろうねということです。人に対して、自分主義ではなく他人主義になってあげることが大事なんじゃないかなと思います。