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  • 2020年3月30日

サステイナブルを感じられる“贅沢さ” 。今後支持されるホテルのあり方とは。

読者の皆様、こんにちは。今回はキクエスト編集部が日本国内外の社会課題と問題解決に向けた施策を事例と共に紹介していきたいと思います。今回のテーマは“観光”です。

サステイナブル・ツーリズムという言葉を耳にしたことはありますか?“サステイナブルツーリズム”とは、観光先の文化やそこに住む地域の人々、環境等の面から本来の姿を持続的に保つことができるように、観光地の開発やサービスのあり方を考慮して旅行することを指します。

2023年までの4年間で推定3,700億円(338.06億ドル)の市場価値が見込まれ、世界的にも推進されているサステイナブル・ツーリズム。豪華絢爛なラグジュアリーホテルとは一味違うサービスで、近年頭角を現しています。

今回は、サステイナブルツーリズムの動向と、その土地の豊かな風土を活かしたデザインを取り入れ、良循環を巡らせているホテルの取り組みを紹介します。

大手宿泊サイトも注目しているサステイナブルツーリズム

国連は、2017年を「開発のための持続可能な観光の国際年(International Year of Sustainable Tourism for Development)」と定め、観光の役割に対する認識を広めていくと発表いたしました。同時に、サステイナブルツーリズムの持続可能性を指標化した「サステイナブルツーリズム国際認証」を発表しており、現在スペイン、メキシコを筆頭にサステイナブルツーリズム国際認証の取得手続きが進められています。

サステイナブルツーリズムは多くの注目を集めていますが、その注目度の高さは、世界最大級の宿泊予約サイトBooking.com(ブッキング・ドットコム)の動向からも垣間見えます。

Booking.comは、サステイナブルツーリズムを促進するサービスの支援プログラム「Booking Booster プログラム」を2017年より開始しました。本プログラムは、宿泊施設をはじめ革新的なプロダクトやサービスを提供する参加者が、約3億円(260万ユーロ)の基金の一部を獲得する機会を得られるというものです。

さらに、Booking Boosterプログラムの施行だけに留まらず、CtripSkyscannerTripAdvisorVisaといった旅行業界最大手と共に先日王室離脱の意を表明したヘンリー王子と協同し、新たなグローバル・パートナーシップ「Travalyst」も始動させました。現地コミュニティのサポートや自然環境の保護、オーバーツーリズムの緩和など、サステイナブルな旅行の選択肢を提示していく予定です。

同社の調査によると、Booking.comのパートナー施設の82%が「サステイナビリティに関して協力したい」世界の旅行者の87%が「旅行中にサステイナブルな宿泊施設での滞在を検討することを重要だと感じる」と感じていることが明らかになりました。(2018年、2019年の調査)

ラグジュアリーとサステイナブルを両立しているホテル3選

オーガニック、サスティナブル分野のプロフェッショナル団体・BIO HOTELS JAPAN

ヨーロッパで発足した、上質でコンフォートな新しいライフスタイルを提案するオーガニック・サスティナブル分野のプロフェッショナル団体に「BIO HOTEL®(ビオホテル)」というものがあります。

この「BIO HOTEL®(ビオホテル)」から認証されたホテルでは、食事や飲み物、アメニティー類(シャンプー・石けん・スキンケア等)にはすべてオーガニック製品を使用しています。「自然のもの」という意味を指す「オーガニック」という言葉は広く知られるようになり、オーガニックシャンプー など日常の中に取り入れている方も多いのではないでしょうか?タオルやベットリネン類、施設の建材や内装材には可能な限り自然素材を使用し、再生可能エネルギーの積極的な活用を含め、CO2排出量削減にも取り組んでいます。

このBIO HOTELの日本支部が「JAPAN BIO HOTELS」です。今回はBIO HOTELS JAPANが認証している宿泊施設を3つご紹介いたしましょう。

【長野県「カミツレの宿 八寿恵荘」】

画像:公式HPより

この宿の一番の目玉は有機栽培のカモミールから抽出したカミツレエキスを含ませた「華密恋の湯」です。また、食に関しては自社農園を有しており、有機栽培で育てられた四季折々の採れたての野菜を堪能することが出来ます。施設の床材には、強度が高く肌触りのよい地元産のアカマツの無垢材を使用しており、裸足で歩いて木のぬくもりや心地よさを体感したくなる宿です。

【福島県「おとぎの宿 米屋」】

ミストサウナも、全室に用意された露天風呂も、全て源泉掛け流しという大変豪華な宿。大浴場は、毎日湯守の手で温度管理を行っています。

日本の生活習慣に基づいた低い姿勢での座り方を提案する豊口克平の独創から生まれたイス、海外でも高評価を得る渡辺力デザインのロッキングチェアなど、各部屋には、日本にルーツを持つさまざまなチェアが設置されており、日本の伝統へのこだわりが感じられます。

【北海道「Auberge erba stella(オーベルジュ エルバステラ)」】
この宿の一番のポイントは北海道の文化と魅力を発信する野菜ソムリエやオリーブオイルソムリエ、北海道フードマイスターなどの専門的な資格を持つ「食」のスペシャリストが在籍している点です。提供される食事は、食材そのものがもつ香りや味を十分に引き出し、北海道の味を楽しんでもらえるよう工夫されています。

また、各部屋には通常設置されているであろうテレビが設置されていません。これは風がそよぐ音や小鳥のさえずりなど、大自然が奏でる音を堪能してもらいたいというホテルのこだわりだそうです。

この3拠点に共通するのは、革新的なサービスを行っているのではなく、その土地に根ざした伝統や食文化を守り、地域のコミュニティとも連帯して価値の高いサービスを提供する、というごくシンプルな取り組みです。

日本だからこそ可能なサステイナブルツーリズムを

その土地ならではのもの、その土地でしか味わえない物を見極め、そこにおもてなしの心をプラスする。人と環境、どちらにも優しくシンプルに。そんな価値提供の仕方を追求した結果、ユーザーの心を掴むことが出来、結果多くのお客様に支持される宿になったのだと言えるでしょう。

和食、豊かな四季、ポップカルチャー、伝統芸能など独自の観光資源を多く有する日本にとって、サステイナブルツーリズムの観点を取り入れたサービス展開は地域の人々にとっても、その土地を訪れる観光客にとってもより満足度の高い観光業のあり方です。

夜景が綺麗に見えるラグジュアリーホテルも良いですが、短い週末の旅行には自然や伝統、地域の方とのつながりを感じられるホテルでほっと一息をつきたいものです。綺麗な景色に美味しい食事、洗練された丁寧なおもてなし‥そんなラグジュアリーなホテル滞在が、その地域に住む人々の暮らしや文化を守るものになる。サービスの提供側としても利用者としても、これ以上に嬉しいことはありません。

今やネットで簡単に旅行を手配出来る時代になりました。(例:旅行をもっと簡単に【Trip.com】 )今後の休日にはサステイナブルな旅行を計画してみませんか?

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