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  • 2020年1月27日

アメリカのスーパーが取り組む「海洋プラスチック問題」

私小松がアメリカ・ボストンで生活するようになって驚いたことの1つが「人々の環境への意識の高さ」です。本企画では、ボストン生活を通して直接体験し、見つけた、食にまつわる企業の環境への取組み事例の紹介と、「フードマーケター」である私が感じたことについて綴っていきます。

世界中で課題となっている「海洋プラスチック問題」

先日、環境への意識が高いアメリカ人の友人から、「プラスチックゴミに埋もれた発展途上国の街並み」や「プラスチックゴミを食べた鳥の死体」などの写真を見せてもらい、衝撃を受けました。「プラスチックゴミが問題になっている」と言うニュースは聞いていたものの、自分ゴト化できていなかった私。「情報の9割は視覚から」という言葉があるように、やはり耳よりも目でとらえた情報の方が印象に残ります。写真を見せてもらったことで、事の重大さを理解しましたし、環境問題に対して真剣に向かい合おうと感じました。

それからは、Myエコバッグを持ち歩くようになりましたし、カフェを利用する際は、紙コップではなくマグカップにドリンクを入れてもらうようになりました。

2018年に開かれたG7シャルルボワ・サミットで「海洋プラスチック憲章が提示されるなど、今世界で深刻な問題となっている「海洋プラスチック問題」。使用されたプラスチックがきちんと処理されず海へと流れ込んでしまい、海洋汚染や生態系への悪影響を引き起こしています。世界の海に存在しているプラスチックごみは、合計で約1億5,000万トン。そこへ毎年約800万トン(重さにして、ジャンボジェット機5万機相当!)の新たなプラスチックごみが流入していると推定されています。

 アメリカのスーパーの取り込み

この「海洋プラスチック問題」を解決するため、アメリカのスーパーでは行われているユニークな取組みをいくつか紹介します。

1.「ご当地エコバッグ」の発売

ボストンのスーパーに行き、お客様を調査している中で感じたのは「女性だけでなく男性も含め、買物客の大半がカラフルでオシャレなエコバッグを持参している」ということ。アメリカで人気のスーパー「トレーダージョーズ」のレジ前には、バラエティ豊かなエコバッグが99セント(約110円)から販売されています。

「ボストン限定」「ニューヨーク限定」などエリア限定のエコバッグが販売されており、旅行などで訪れた場所で、そのエリア限定のエコバッグを購入する人も多いそうです。まるでスターバックスのご当地マグカップのような存在になっています。また、エリア限定のエコバッグが何種類かセットになって販売された「エコバッグ福袋(どのエリアのものが入っているかは開けてからのお楽しみ)」も販売されており、人々が楽しみながらエコ活動に参加している様子が伺えます。

 ちなみにボストンのスーパーでは、レジ袋は基本有料で、しかもプラスチックではなく再利用可能な紙で作られた袋が配布されています。マサチューセッツ州では「スーパーでプラスチックのレジ袋を配布することを禁止すると共に、リサイクル可能な紙袋を有料にする」という法案も定められていて、人々は環境・金銭両方の側面からエコバッグを持ち歩く習慣が身に付いています。

私たち人間は、「100年後もキレイな地球を維持すること」よりも「今この瞬間が便利であること」を優先にしてしまう生き物です。そのため、エコ活動を浸透させるためには、レジ袋の購入費をある程度の値段に設定する(1枚100円くらいの価格設定が必要か?)、野菜やフルーツなどの青果を入れる容器を持参した人には割引を適用する、などお金を絡ませることが必要不可欠です。

2.食品が剥き出しに陳列されたスーパー

アメリカのスーパーでは基本的に食品はバラで陳列されており、自分の購入したい分量だけ袋に入れます。この時使用する袋も最近ではビニール袋から紙袋に変わってきています。

バナナ売場では、陳列されているバナナを手に取り、最適な本数にするためにバナナをもいでいる姿の人も多く見られます。

これに対して日本のスーパーはどうでしょうか?野菜にしろフルーツにしろ、1つずつ丁寧にビニール袋あるいはプラスチックケースに入れられていて、アメリカのスーパーと比較すると「過剰包装」だと感じてしまいます。この「パッケージしないスタイル」を突き詰めたスーパーが先日ニューヨークにオープンしました。店名は「Precycle(プレサイクル)」。プラスチックを一切使用しないスーパーです。

野菜やフルーツなどの青果品は勿論のこと、パスタや小麦、オイルやビネガーなど店で販売されている全ての商品がパッケージされていません。

買い物客は自分の家から持ってきた容器、あるいは店で販売している瓶を購入して、自分の好きな分だけ商品を購入する量り売りスタイルになっています。

食品が剥き出しに陳列されているため、衛生面が少し気になるところではありますが、スーパーエコなスーパーと言えるでしょう。

3.何度も繰り返し使えるサランラップ

ボストンのスーパーを歩いていると、新聞紙で作られたバスケットなどオシャレで画期的なエコ商品をいくつも見つけることができます。

その中で私が最も興奮した商品と言えば「蜜蝋ラップ」。ミツバチの巣から取れる「ろう」である「蜜蝋」を使って作られた、サランラップの代替品です。残った料理を保存したり、おにぎりを作ったりする際に大活躍のサランラップですが、プラスチックで出来ており環境のことを考えると使い方は考えていかなければいけません。

 そんな中登場したのが、この「蜜蝋ラップ」です。

蜜蝋、ホホバ油、松脂(まつやに)と自然素材だけで作られた、エコフレンドリーな商品です。あらゆる形にフィットし、ほどよい粘着性があるため、サランラップのように容器に蓋をすることができます。ミツロウとホホバ油は抗菌性・保存性があるため、食品の鮮度と美味しさを長持ちさせてくれます。さらに、水で洗えば何度でも使えるので、環境だけでなくお財布にも優しい商品です。

オリンピックイヤーである2020年。世界から恥じない国であるために

日本でもオリンピック開幕前の2020年4月を目途に「レジ袋の無料配布廃止・有料化」を法案化する動きが出るなど、環境への取組み活動が行われています。しかし、その取組みはまだまだ不十分ですし、私たち生活者の環境意識も低いです。

日本は確かに便利でホスピタリティ溢れる国です。1ブロック歩けば24時間営業のコンビニエンスストアがあるし、バナナ1本であってもきちんとラッピングされ、ご丁寧にレジ袋に入れて渡してくれます。

しかし、これらのサービスは本当に私たちの生活にとって必要なのか?私たちがお金をかけるべき部分はどこなのか?を再度考える必要があります。オリンピックイヤーである今年は海外から多くの人が訪れます。「先進国であるにも関わらず、日本は環境に対する取組みが全くできていない」などと言われることのないよう、一人一人が環境問題を自分ゴト化して、自分にできることからアクションを起こしていくことが重要です。

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