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  • 2020年10月23日

【SDGsな人々#19】「全ての人に健康になって欲しい」という願いから生まれたハンモックピロー 株式会社エムアイストーリー 坂本ひろみさん

皆さん、“ハンモックピロー”をご存じですか?私たちが日頃使っている枕とは大きく形状が違います。

「世界中の人たちに、この枕で楽になって欲しい」そう語るのは、株式会社エムアイストーリー代表の坂本ひろみさん。今回は、この枕の誕生ヒストリーと、身体にもたらした効果。そして、事業を通じてのSDGsへの取り組みについて、インタビューをさせていただきました。

頭の中のアイディアをたくさんの人の役に立てたい

———この事業を立ち上げたきっかけを教えてください。

私は、若い頃からずっと肩こりとか頭痛とか…そういった、体調面での悩みを抱えていました。症状が酷くなっていろいろな病院に通ったのですが薬では改善出来ませんでした…。

そんな時に、ふとリビングの椅子の下に布を吊して頭を乗せてみたのです。それがきっかけで、このハンモックピローのアイディアが浮かびました。

最初は簡単な試作を作ってみました。気がついた時に頭の重さをそこに乗せて頭痛の辛さを和らげる、そんな感じで毎日続けていたと思います。1ヶ月ほど経つ頃、あんなに悩んで辛かった肩こりや頭痛が全くなくなったのです。

自分でもびっくりしました。すごく不思議な現象でしたが、こんなに体が楽になるなら私1人ではなくて、周りの人に試してらおうと思い、幾つか作って周りの人に使ってもらったところ皆さん大変喜んでくれたのです。

 そして、もっとたくさんの同じような悩みを持って苦しんでいる人たちに使ってもらいたいと、事業を立ち上げることにしました。

事業を立ち上げることは初めての経験だったため、特許取得や開発に時間がかかりましたが、2015年から準備を始めて2016年には販売を開始することができました。

———”ハンモックピローを利用すると首回りの血流が10%上がる”という記事を拝見したのですが、何かエビデンスや実証実験を行われたのですか?

自分が実感した肩こり、首こりの解消を改めて検証してみました。

 まずは、ハンモックピローを利用する前と、利用した後の姿勢がどう変わるのかエビデンスをとっていきました。

それにはカイロプラクティックの姿勢分析システムを使用したのですが、非常に良い結果が得られたのです。

 特に女性の方達は数分使用しただけで指数の改善がされて良い姿勢に戻るという結果が出ました。現代人は皆さんパソコンやスマホを使って猫背になったり、首がストレートネックになったりしています。高齢の方も歳をとるにつれて筋力が落ち姿勢を保持するのが難しくなってきますよね。それによって両者ともあちこちに痛みが出てくるということになってしまうのです。

それをハンモックピローによって筋肉が緩み、姿勢改善とバランスが整うんです。これによって、痛みがなくなっていくという結果にもつながるのです。

 その後、ハンモックピローをする前とした後の首回りの血流がどうなるのかもエビデンスをとっていき、こちらも良い結果が出ました。

そして、もう1つ。

ハンモックピローを使用することで自律神経にどう作用するのかを、東海大学の高雄元晴教授にご協力いただき検証することが出来ました。

 何もする前は交感神経が優位になっていたのですが、ハンモックピローを利用した後は、副交感神経が優位になるという面白い結果が出たのです。交感神経が優位になっているということは、ストレス状態が続いているといことなのです。この結果から現代人には常にストレス状態が続いている人が多く、首回りの緊張、肩こりが慢性化しているということが分かりました。

ハンモックピローによって首、肩まわりが緩められて、神経や血流の流れが良くなったということは、とても良い結果でした。

世界に届けたい、私たちの製品

———御社で取り組まれているSDGsの取り組みについて教えてください。

まず、弊社は皆さんに健康を届ける事業です。これはSDGsの目標#3「すべての人に健康と福祉を」に貢献できていると思います。 

また、今販売しているハンモックピローは全て木製で作られています。プラスチックなどの化学製品を一切使わず、自然に優しい取り組みをしています。これは、SDGsの目標#12「つくる責任つかう責任」に通じるものと考えています。

 今後は、資源の再利用、有効活用、持続可能な森林経営をサポートしていく活動を行い、#15「陸の豊かさを守ろう」にも貢献していきたいと考えています。 

———地域の方との関わりや、社会課題への取り組み等はありますか?

私の住む地域には退職を迎えた方たちが集まり趣味を生かす場所があり、そこで木工の得意な方にハンモックピローのサンプル制作を手伝っていただきました。

 制作販売から5年経った今振り返ってみると、以前には関わる機会がない人たちとの巡り合いもあり良い体験になりました。

海外に向けても、以前商品のエビデンスを取るのにお世話になった東海大学の高雄教授が、タイの国際学会でハンモックピローを紹介してくださり、世間に名前が少しずつ知られるようになりました。

去年もニューヨークの展示会に出展させていただき、世界中の皆さんが肩こり・首こりに悩まれていたことを初めて知りました。漠然と「日本人だけが肩がこるのかな」と思っていたんですけど、大間違いでした。

新しい視点で物事を据えることができて、”ハンモックピロー”でもっと世界中の肩・首こりで苦しんでいる人たちを助けたいと強く思いました。

今後は販路を拡大を目指し、世界の皆さんに健康をお届けできるよう努力します。

誰かの手助けになるような発明・発信を 

———今後の事業や、取り組みたい社会貢献活動について教えてください。

障がいを持っている方と一緒に、皆さんが必要とする商品を作ってみたいと考えています。そう考えるようになったのは、母の介護がきっかけでした。

母は全く目が見えなくなってしまったのですが、今まで普通に生活できていたことができないというのは、本当に不自由なことです。思うように動けなくなってしまった人の役に立つために、何か開発したいと思っています。そして苦しんでいる人を1人でも少なくしていきたいです。

皆さんの生活を良いサイクルに変えて健康になって欲しいです。

 エムアイストーリーという会社の名前には私の好きなものが詰まっています。MはMusicのM、IはideaのI、storyは脚本を含めた物語。

元々発明が好きで、何にもないところからアイディアを膨らませて何かを作ることが好きだったのです。発明もそうなのですが、自分でピアノを弾いて音楽を作ったり、本を書いたり。

 子育てしながら、介護しながら、というのはなかなか難しくて結婚を機に遠ざかっていました。でも少しでも人のために何か役に立つことがあるのではないかと考えていました。作りためたものがたくさんあるので、自分の中でため込むだけではいけないですよね。

それが誰かの役立つものであれば…私はどんどん発信していきたい、そう思っています。

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