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労働問題

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残業月20時間はきつい?もう限界だと感じる前に知っておくべきこと

残業月20時間はきつい?もう限界だと感じる前に知っておくべきこと

毎日残業が続きで肉体的・精神的にもきつくなったという方も多いでしょう。

多くの労働者が、自分自身や家族のためにも残業時間を減らしたいと考えており、この記事を読んでいる方もその1人ではないでしょうか。

この記事では、残業月20時間は多いのかについて解説し、残業がきついと思ったらやるべきことについて紹介していきます。

この記事で分かること

日本の残業時間の現状

残業20時間がきついと感じたらするべきこと

残業時間が少ない会社に転職する方法

こんな人におすすめの記事です

残業が多くて毎日きついと感じている方

自分の残業時間が多いのかどうか知りたい方

残業時間を減らしたいと悩んでいる方

残業月20時間はきつい?

残業月20時間はきつい?

残業月20時間はどれくらいきついのでしょうか。

前提として、月の平均営業日は平均で21日、つまり残業月20時間はほぼ毎日1時間の残業があるという状態です。

日本の平均残業時間は13.2時間

厚生労働省の令和3年調査によると、一般労働者の平均残業時間は13.2時間です。

月間実労働時間数等一般労働者パートタイム労働者
総実労働時間162.1 時間78.8 時間
所定内労働時間148.9 時間76.8 時間
所定外労働時間13.2 時間2.0 時間
出勤日数19.5 日13.9 日
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和3年分結果速報」

平均残業時間の数値は統計によって差があるので一概には言えないですが、残業20時間というのは平均並みあるいは平均より少し多いと言うことができるでしょう。

現在は、働き方改革関連法による改正法の施行により、法律による残業時間の上限は原則として月45時間となっています。法律の視点から言うと、残業20時間はちょうど中間と言うことができます。

残業時間が増えると幸福度が下がる

これは皆さんも体感的に理解できることだと思いますが、残業時間が増加すると幸福度が下がると言われています。

残業時間幸福度(指数)
0時間18.11
1〜10時間未満18.58
10〜20時間未満18.34
20〜30時間未満18.19
30〜45時間未満17.72
45〜60時間未満16.98
60時間以上17.54
出典:パーソル総合研究所 「希望の残業学プロジェクト」

この調査によると10時間以上の残業については幸福度の低下が見られ、60時間以上で一時的に上昇するものの低い水準であることがわかります。

幸福度や残業のきつさは、あくまで本人の主観です。残業時間が多くても充実していると思う人もいれば、残業時間が少なくてもきついと思う人もいます。

肉体的・精神的に毎日すり減っているような感覚があれば、それは本人にとってきつい状況であると言って良いでしょう。

残業月20時間で『きつい』は甘え?

残業月20時間で『きつい』は甘え?

残業のきつさは仕事の内容や職場の人間関係で感じ方がまったく異なり、自分の主観で感じていることがすべてです。

毎月20時間以上の残業でも、充実した仕事や信頼できる人に囲まれていればあまりきついと感じないでしょう。
残業がほとんどない場合ても、自分に向かない仕事や人間関係のトラブルに囲まれていれば、きついと感じるでしょう。

日本社会では、「仕事がきついと弱音を吐くのは甘えだ」という意見があるのも事実です。日本人の持つ我慢と継続の文化がそうさせるのかもしれません。

特に終身雇用が前提となっていた世代では、我慢と継続を美徳と考えている人がおり、「きつい」という部下の意見を「甘え」と一蹴してしまう人もいます。

あまり人からの意見を受け止めすぎず、自分の感覚を大切にしましょう。

残業しすぎると・・・

働きすぎて残業が続き、月80時間以上の残業になると過労死につながる可能性が出てきます。

月80時間の残業は一般的に「過労死ライン」と呼ばれ、令和2年の調査によると、月80時間を超える残業をしている労働者がいた事業所の割合は2.5%です。

以前と比較して過労死ラインを超える残業は減りつつありますが、他人事だと思わず残業のしすぎには十分に注意しましょう。

過労死ラインについて知りたい方は、『【過労死ラインは残業80時間】リスクと会社への対処法とは』を参考にしてください。

残業月20時間がきついという意見

残業20時間で体しんどいのにこれ以上やってる人化け物だなって思ってます。
すごいです

くろ@めがね(@kuro2020gubu)2023年9月5日

来月残業20時間以上確定
リーダー開始…
プライベートでも、ちょっと変化あり…バタバタの9月になりそう…

∞paradigm鷹Shift∞(@takahiroscreamo)2023年8月31日

1週間終わった! 1週間で残業20時間!! え?ってなったわ… 体壊すわ

はる(@haru10020811)2023年9月2日

残業月20時間できついという意見は比較的少ないですが、一部きついという意見もあります。

特に新入社員だと、仕事に慣れていないことや自分だけ残業しているという孤独感が重なって、残業月20時間でもきついと思いやすいでしょう。

なお、20時間という時間で言うと、「週20時間の残業がきつい」という意見が目立ちます。
(週20時間の残業は過労死ラインの残業なので、きつくて当たり前です)

残業月20時間が楽という意見

転職して丸1年経過…ほんと平和な一年だった。月間残業20時間をキープとか前職ではありえない世界。

piko(@mak__piko)2023年9月1日

今月もしごわ!
ここ2ヶ月残業20時間程度で楽だけど、やっぱ30〜40時間は残業しないと収入が支出に追っつかないな

ぴーちぼーい(@peach_and_boy)2023年8月31日

残業20時間以上を当たり前のようにこなしている人は、残業月20時間が楽だと感じているようです。

確かに、例えば毎月30〜40時間の残業をしていれば、残業が20時間で済んだ月は「楽だったな」と思うでしょう。

残業のきつさは、普段の残業時間との相対値で決まると言えるかもしれません。

残業月20時間がきついと感じたらするべきこと

残業月20時間がきついと感じたらするべきこと

残業月20時間がきついと感じたらすべきことについて解説していきます。

残業がきついときは、「仕事外の時間」「仕事中の時間」のいずれかをコントロールすることで改善が可能です。

職住近接を実践する

職住近接を実践する

職住近接という言葉がありますが、職場の近くに引っ越すことで残業のきつさを間接的に解決できます。

例えば通勤時間が片道1時間のところから徒歩圏内の場所に引っ越したとしましょう。そうすれば、往復2時間分の時間を自分の時間として使えるようになります。

もし満員電車に乗っていたとすれば、その分のストレスも低減することができます。一説によると、満員電車で感じるストレスは、戦場にいる兵士が感じるストレスに匹敵すると言われています。

根本的な解決にはなりませんが、きついと感じる気持ちが楽になるかもしれません。

ただし、引越しにはかなりの時間がかかり、引越し料金や敷金・礼金などでまとまったお金も必要です。
普段から持ち物を少なくしていたり、契約更新時期に引っ越したりするなどで、手間や費用負担を実質抑えることができますが、なかなかハードルが高い方法だと言うことができるでしょう。

テレワークを行う

テレワークを行う

テレワーク可能な会社であれば、テレワークを行うことで時間の余裕を得ることができます。

総務省統計局の令和3年社会生活基本調査によると、テレワークをしていた人は、していない人に比べて睡眠時間と趣味・娯楽の時間が増え、通勤・通学時間が減っています。

  • 睡眠時間:18分増
  • 趣味・娯楽の時間:16分増
  • 通勤・通学時間:63分減

また、会社の人との不要な電話や雑談が減り、残業時間が減る効果も期待できます。

もし残業時間は変わらなかったとしても、時間の余裕が生まれることで気持ちにも余裕が生まれるでしょう。

残業しないための工夫をする

定時に業務が終わるように工夫する

残業しないために業務改善を行うことも、残業のきつさを改善する方法のひとつでしょう。

残業時間を減らす工夫としては、

  • 不要な会議・電話を減らす
  • パソコンの便利な機能を使う
  • デスク環境を整える
  • 業務が効率化できるシステムを導入する

このような手段があります。

特に不要な会議・電話を減らすことは、即効性がある方法です。

ある程度社内的な立場が低いと電話が増え、高くなってくると会議が増えます。

自分の立場に応じて必要な量の会議・電話の量に抑えることで、他の仕事に充てる時間を捻出することができるでしょう。

部署異動や仕事内容の変更を行う

部署異動や仕事内容の変更を行う

残業の少ない部署に異動する、または事務系の仕事を担うなどができれば、残業時間を減らすことができるでしょう。

一般的には間接部門のような事務仕事の多い部署が残業が少ない傾向があるので、総務部や経理部、人事部などに異動できると良いでしょう。

ただし、異動は緊急性がない限り自分の思う通りになりにくいので、まずは会社の人事担当に相談して粘り強く交渉していきましょう。

また、所属している部署全体で残業が多い場合、会社全体として残業時間が長いという可能性もあるため、その場合は転職も検討してみましょう。

自由な働き方ができる業界・会社に転職する

自由な働き方ができる業界・会社に転職する

自由な働き方ができる業界や会社に転職することで、残業時間をコントロールできるようになります。

一般的には以下のような傾向があると自由な働き方ができるので、

  • テレワークが可能
  • フレックスタイム制を導入している
  • 働き方改革が進んでいる

このような特徴を持った業界や会社に転職すると良いでしょう。

IT業界のように業界的にこのような特徴を持つ場合もあれば、会社として取り組みを推進している場合もあるので、詳しい情報を自分で調べつつ、その会社の人からも直接話を聞くことが大切です。

ただし、自由な働き方はその分の責任を伴うので、今までとは別の悩みが生まれる可能性があることも念頭に置いておきましょう。

残業の少ない業界・会社に転職する

残業の少ない業界・会社に転職する

残業時間の少ない業界や会社に転職するのが、もっとも効果的に残業時間を減らすことができる方法です。

残業が少ない業界については以下の通りで、全体として事務仕事が比較的残業時間が少ないことがわかります。

順位職種名残業時間/月
1秘書/受付10.0時間
2美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)10.4時間
3営業事務アシスタント11.0時間
4薬事11.6時間
5医療事務アシスタント12.2時間
6金融事務アシスタント12.8時間
7学術/メディカルサイエンスリエゾン12.9時間
8一般事務アシスタント13.3時間
9企画/マーケティング関連事務アシスタント13.7時間
10金融業界の個人営業15.0時間
出典 :doda | 平均残業時間ランキング【94職種別】

残業時間の実態については、その会社に在職している方に聞くのが一番良いでしょう。

残業時間が少ない会社に転職するには

残業時間が少ない会社に転職するには

残業時間が少ない会社に転職するには余裕を持って転職活動をすることが大切で、「転職活動の時間を捻出する」「転職活動の精度を上げる」ことが重要です。

離職後に失業手当をもらいながら転職活動をする

離職後に失業手当をもらいながら転職活動を行うことで、お金の不安を軽減しながら転職活動に時間をかけることができます。

失業手当とは、正式名称を雇用保険の基本手当といい、失業中の生活を心配しないで新しい仕事を探し、1日も早く再就職できるよう支給されるお金です。

  • 失業手当の金額は離職前給与の50〜80%程度
  • 受け取れる期間はおおよそ3〜4ヶ月
  • 申請から受け取るまでに通常は約2ヶ月は必要

在職中は転職活動のまとまった時間を捻出することが難しいので、離職後に失業手当をもらいながら納得のいく転職先を見つけると良いでしょう。

失業手当の専門サポートを受ける

仕事で強いストレスを抱えている人は、通常よりも多くの失業手当を受け取れる可能性があります。

労働環境サポーターは、あなたの失業手当の申請を専門サポートしています。

退職後のお金に不安がある方は、ぜひ一度お問い合わせください!

詳細はこちら

失業手当について詳しく知りたい方は、『失業手当はいくら、いつもらえる?受給条件や申請方法を解説!』を参考にしてください。

在職中に転職活動の時間を確保する

在職中は転職活動のまとまった時間を捻出することが難しいですが、退職代行を依頼することで時間を作りやすくなります。

退職代行とは、労働者本人に代わって会社に退職の意志を伝えてくれるサービスです。

会社に対して自分で退職の意志を伝え、退職時期や業務の引き継ぎなどを調整し、実際に退職するというのは意外と時間がかかりますが、退職代行に依頼すればそれらの時間をすべてなくすこともできます。

削減した時間を転職活動に時間を充てれば、転職のための勉強や準備にも時間を割くことができます。

退職代行で後悔しないために

退職代行は「弁護士対応」の業者に依頼すると万が一の時にも安心です。

労働環境サポーターは、あなたの退職を実質無料で代行できるサービスです。

退職代行と未払い残業代請求を一緒に行うことで、退職代行の費用が無料となります。

費用で退職代行の利用を悩んでいる方は、ぜひ一度お問い合わせください!

詳細はこちら

退職代行について詳しく知りたい方は、『退職代行とは?メリット・デメリットや対応の流れも徹底解説』を参考にしてください。

転職サイトと転職エージェントを併用する

転職活動の精度を上げるために、転職サービスで会社を探しつつ、転職エージェントから求人紹介を受けましょう。

  • 転職サービス:さまざまな業界・業種から希望や条件に合う求人に直接応募できる
  • 転職エージェント:給与交渉代行や日程調整・事前面談などをエージェントが行う

株式会社ジャストシステムの転職に関するアンケートによると、転職活動で登録した転職サイトと転職エージェントは2社という回答がもっとも多く、転職を成功させるのであれば複数登録するのがおすすめです。

なお、大手の会社であれば、就職四季報に月の残業時間が掲載されているので、目安として参考にしましょう。

【さいごに】残業時間を減らす意義

【さいごに】残業時間を減らす意義
出典:スティーブン・R・コヴィー. 完訳 7つの習慣 人格主義の回復 (p.242)

残業時間を減らすことの最も重要な意義は、「緊急ではない重要なこと」に取り組めることでしょう。

さいごに、その効果について触れていきます。

「緊急ではない重要なこと」に取り組むということ

「緊急ではない重要なこと」というのは、ビジネス書の大ベストセラー『7つの習慣』の第3の習慣で出てきている概念です。

先に挙げた時間管理のマトリックスの第Ⅱ領域にあたります。

毎日の残業で肉体や精神をすり減らしていると、どうしても緊急性の高いことにだけ注力してしまいます。

「仕事の納期に追われつつ、大量の電話やメールを捌いて、気づけば一日終わっていた・・・」という経験は、誰もが一度はしたことがあるのではないでしょうか?

スティーブン・R・コヴィー氏は、そのような緊急性の高いことではなく「緊急ではない重要なこと」に時間をかける重要性を説いています。

第Ⅱ領域は、効果的なパーソナル・マネジメントの鍵を握る領域である。

この領域に入るのは、緊急ではないが重要な活動である。人間関係を育てる、自分のミッション・ステートメントを書く、長期的な計画を立てる、身体を鍛える、予防メンテナンスを怠らない、準備する。

こうした活動はやらなければいけないとはわかっていても、緊急ではないから、ついつい後回しにしてしまうことばかりだ。効果的な生き方のできる人は、これらの活動に時間をかけているのである。

引用:スティーブン・R・コヴィー. 完訳 7つの習慣 人格主義の回復 (pp.246-247)

誰しも仕事や私生活で良い結果につながるような活動があるのではないでしょうか?

何かのスキルを習得したり、家族との食事の時間を大切にしたり、「緊急ではない重要なこと」に時間をかけることができれば、今よりも豊かに感じられる人生を過ごせるかもしれません。

このような時間を捻出するために、残業時間を減らして余剰の時間をつくる必要があります。

「緊急ではない重要なこと」に取り組んだ事例

「緊急ではない重要なこと」に取り組んだ事例として最も有名な事例のひとつとして、Googleの20%ルールが挙げられるでしょう。

20% ルールとは

業務時間の内の 20% を「普段の業務とは異なる」業務( Google においては新規事業立案 ) にあてて良いという制度です。今やデジタルインフラの一種となりつつある Gmail、Google マップ、Google ニュースなどといったサービスは、この画期的な制度によって生み出されてきました。

出典:Work @ Google 20%

検索エンジンとして事業をスタートしたGoogleは、創業当初から「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにする」という理念を掲げています。

この理念を達成するためには、検索エンジンだけに収まらずあらゆる情報を整理する必要があります。

そこでGoogleは、業務時間の20%を普段と異なる業務に充てて良いという制度をつくり、「緊急ではない重要なこと」に取り組むための基盤をつくったのです。

人生の満足度を上げる

有限な人生の中で、あなたが本当にやりたいことは何でしょうか?

家族や友人と穏やかな時間を過ごすことでしょうか。
自分の好奇心に従って何かを探求することでしょうか。
世の中から認められるような何かを成し遂げることでしょうか。

「緊急ではない重要なこと」を考えたとき、あなたが本当にやりたいことが浮き彫りになるでしょう。

もしも本当にやりたいことが仕事以外であれば、残業時間をコントロールして時間をつくる方が人生の満足度が上がります。

残業が続いているのは「緊急かつ重要なこと」に注力した結果です。少し肩の力を抜いて、自分が本当にやりたいことを見つめてみましょう。

まとめ

この記事では、残業月20時間は多いのかについて解説し、残業がきついと思ったらやるべきことについて紹介していきました。

  • 残業20時間はほぼ毎日1時間の残業があるということ
  • 残業のきつさは自分で感じていることがすべてであり、決して甘えではない
  • 残業20時間がきついと感じたら「仕事外の時間」「仕事中の時間」をコントロールする
  • 残業時間が少ない会社に転職するには「転職活動の時間を捻出する」「転職活動の精度を上げる」という対応が肝心

人生100年時代に向けて定年の引き上げや廃止の動きも活発化しており、これからの世代は労働に費やす時間が多くなっていくでしょう。

自分の本当にやりたいことが仕事以外にあるのであれば、適切に残業時間をコントロールしていくことが大切です。

人生は有限です。この記事があなたの労働を見つめ直すきっかけとなり、人生の満足度を上げる手助けになれば幸いです。

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