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失業手当はいくら、いつもらえる?受給条件や申請方法を解説!

失業手当はいくら、いつもらえる?受給条件や申請方法を解説!

失業手当とは、正式名称を雇用保険の基本手当といい、失業中の生活を心配しないで新しい仕事を探し、1日も早く再就職できるよう支給されるお金です。

日本の労働者のうち約1,600万人が給付を受けられるのに、実際に受給している人は約9万人程度と言われています。

雇用保険は知らないうちに加入していて、受給については意外と知らないものです。

この記事では、失業手当はいくら、いつもらえるのか、その受給条件や申請方法を解説していきます。

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自分が失業手当の対象になるか知りたい

失業手当の受給条件

まずは、失業手当の受給条件について解説していきます。

失業保険を受給するには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

失業手当の受給条件
  1. 就職する意思と働ける能力がある
  2. 離職日以前2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上ある
  3. ハローワークに求職の申し込みをしている

以降でそれぞれ解説していきます。

1. 就職する意思と働ける能力がある

雇用保険における失業は、「就職する意思や就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就くことができない状態」を指します。

失業手当を受給するには、この失業の定義に当てはまる必要があります。

したがって、以下のような場合は失業手当を受給することができません。

【失業に当てはまらない場合】

  • 病気やけがのため、すぐには働けない場合
  • 妊娠・出産・育児のため、すぐには働けない場合
  • 結婚などにより家事に専念し、すぐには働けない場合
  • 定年などで退職して、しばらく休養しようと思っている場合

また、積極的に就職活動を行っている必要があるため、仕事探しをしていない人は受給することができません。

2. 離職日以前2年間に、被保険者期間が通算12ヶ月以上ある

被保険者期間の考え方

離職日からさかのぼって2年間で、被保険者期間が通算12ヶ月以上ある必要があります。

被保険者期間は、雇用保険の被保険者であった期間のうち、11日以上働いた日がある月を1ヶ月として算出します。

なお、企業の倒産や解雇によって退職した場合、「離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上」として、失業手当を受け取れる条件が緩和されます。

病気や家族の介護など、やむを得ない正当な理由による退職の場合も、条件緩和の対象となります。

条件の緩和については、ハローワークのホームページに詳しい条件が記載されているので、詳細はそちらを参考にしてください。

参考:ハローワーク | 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要

3. ハローワークに求職の申し込みをしている

失業手当はハローワークを通して支給されるため、現住所を管轄するハローワークに求職の申し込みをしている必要があります。

ハローワークで所定の手続きを行い、提出書類を上記の条件をクリアしていると判断されれば、失業認定が行われます。

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失業手当はいくらもらえる?

失業手当はいくらもらえる?

失業手当を受け取れると決まった場合、いくらもらえるのでしょうか?

結論としては、おおよそ離職前の給与の50〜80%をもらうことができ、離職前の給与水準が低い人ほど給付率が高くなります。

ここでは詳しい計算方法を1〜3のステップで解説していきます。

ステップ1:賃金日額を計算する

賃金日額 = 離職前6ヶ月間に支払われた給与の合計額 ÷ 180日

※給与には各種手当(通勤手当や役職手当など)は含まれるが、賞与(ボーナス)は含まれない

離職時の年齢上限下限
29歳以下13,670円2,657円
30〜44歳15,190円
45〜59歳16,710円
60〜64歳15,950円
賃金日額の上限と下限

賃金日額は、離職前半年分の給与の平均額から算出します。

ただし、上記の計算式で求めた金額が賃金日額の上限を上回る場合には上限額が、下限を下回る場合には下限額が賃金日額となります。

ステップ2:基本手当日額を計算する

基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)

※給付率は以下の通り
賃金日額:2,657円〜5,029円 → 給付率:80%
賃金日額:5,030円〜12,379円*1 → 給付率:50〜80%*2
賃金日額:12,380円以上*1 → 給付率:50%*3

*1 離職時の年齢が60〜64歳の場合は11,120円
*2 離職時の年齢が60〜64歳の場合は80〜45%
*3 離職時の年齢が60〜64歳の場合は45%

離職時の年齢上限下限
29歳以下6,835円2,125円
30〜44歳7,595円
45〜59歳8,355円
60〜64歳7,177円
基本手当日額の上限と下限

基本手当日額は、先ほど計算した賃金日額に50〜80%の給付率を掛けて算出します。

ただし、基本手当日額にも上記のように上限と下限が存在します。

ステップ3:総支給額を計算する

総支給額 = 基本手当日額 × 給付日数(90〜330日)

離職時の年齢雇用保険の被保険者期間
10年未満10〜19年20年以上
65歳未満90日120日150日
自己都合で離職した場合の給付日数
離職時の年齢雇用保険の被保険者期間
1年未満1〜4年5〜9年10年〜19年20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30〜34歳90日120日180日210日240日
35〜44歳90日150日180日240日270日
45〜59歳90日180日240日270日330日
65歳未満90日150日180日210日240日
会社都合で離職した場合の給付日数

最後に基本手当日額に給付日数を掛ければ、総支給額が算出できます。

給付日数は離職理由が自己都合か会社都合かによって異なり、失業手当を受け取れる期間は多くの場合3〜4ヶ月程度となります。

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失業手当はいつもらえる?

失業手当を申請しても、受け取るまでに通常は約2ヶ月、特別な事情のある方で約1ヶ月かかります。

通常パターン(自己都合で辞めた場合)

通常パターン(自己都合で辞めた場合)の支給日

待機期間7日間のあと、さらに2ヶ月間の給付制限があります。

そして給付制限が明けた2回目の失業認定のあとに失業手当が初めて振り込まれます

初回の失業手当は給付制限明けから2回目の認定日前日までの分となるので、15日分前後となります。

これ以降も4週間に一度ハローワークで失業認定を受けることで、失業手当を受け取ることができます。

特別な事情があるパターン(やむを得ない理由または会社都合で辞めた場合)

特別な事情があるパターン(やむを得ない理由または会社都合で辞めた場合)の支給日

初回の失業認定の1週間後に失業手当が振り込まれます。

7日間の待機期間があるので、初回の失業手当は20日分前後になります。

これ以降は自己都合で辞めた場合と同じ動きとなります。

失業手当の申請方法

失業手当の手続きの流れ

失業手当の申請は以下の流れで進めていきます。

  1. 必要な書類を準備
  2. ハローワークで手続き
  3. 雇用保険説明会への参加
  4. 失業認定日にハローワークへ行く
  5. 失業手当の受給

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ステップ1:必要な書類を準備

まず、失業手当を受給するために必要な書類を準備しましょう。

・雇用保険被保険者離職票-1、2
退職から10日〜2週間後に前職の勤務先から届く

・マイナンバーカード
マイナンバーカードがない場合は以下(1)と(2)を準備
(1)マイナンバーが確認できる書類
 通知カード、個人番号の記載がある住民票 いずれか1つ
(2)身元確認書類(以下 1 がない場合は 2 )
 1. 運転免許証、官公署発行の身分証明書・写真付き資格証明書等のうち1種類
 2. 公的医療保険の被保険者証、年金手帳などのうち異なる2種類(コピー不可)

・証明写真(2枚)
おおむね半年以内に撮影した正面上半身のもの、縦3cm×横2.5cm

・本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
一部指定できない金融機関があるため注意
離職票-1の金融機関指定届に金融機関による確認印がある場合、通帳は不要

ステップ2:ハローワークで手続き

書類の準備が整ったら、現住所を管轄するハローワークで以下の手続きを行いましょう。

  • 求職申し込み
  • 離職票など必要書類の提出
  • 雇用保険説明会の日時決定

求職の申し込みを行い、必要書類を提出したこの日が「受給資格決定日」となります。

この日から7日間は待期期間のため、失業手当は受給できません。

雇用保険説明会についても担当者から案内があるため、日時を間違えないように注意しましょう。

管轄するハローワークがわからない方は、厚生労働省のページから確認することも可能です。

ステップ3:雇用保険説明会への参加

担当者から指定された日時に雇用保険説明会に参加して、雇用保険受給資格者証を受け取ります。

このタイミングで「失業認定日」が決まるので、次のステップで指定された日にハローワークに行って失業認定を受ける必要があります。

初回の失業認定日は受給資格決定から約4週間後となるので、必ず忘れないようにしましょう。

ステップ4:失業認定日にハローワークへ行く

失業認定日になったらハローワークへ行き、失業認定申告書を提出して失業認定を受けましょう。

失業認定を受けるには月2回以上の求職活動が必要で、失業認定申告書に実績を記載しなければなりません。

求職活動の内容は正しく申告しましょう。

ステップ5:失業手当の受給

失業手当は、失業認定日から通常5営業日後(給付制限がある場合は2~3カ月経過後)に指定の口座に振り込まれます。

以降、原則として4週間に1回の認定日に、ハローワークで失業認定を受ける必要があります。

労働環境サポーターは、失業手当の申請を専門サポートしています。

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失業手当を受け取るときの注意点

失業手当を受け取るための注意点

受給の対象とならない場合もある

失業手当を受給できる方

・雇用保険退職日から過去2年以内に、1年以上加入している
・失業中(これから退職予定)で再就職する意思や環境、健康状態がある
・65歳未満である
・過去1年以内に失業手当受け取っていない
・過去3年以内に再就職手当受け取っていない

すべての人が失業手当の支給対象となるわけではありません。

自分が受給の対象になるか確認しておきましょう。

離職後の資金に不安があるにもかかわらず「支給対象にならない」となると、貯金のみで離職期間を切り抜けることになり兼ねません。

仕事に就く意志と能力があると認められる必要がある

失業手当の対象とならない方

・けがや病気の治療のため、すぐには仕事に就けない方
・妊娠・出産・育児のため、すぐには仕事に就けない方
・定年などで退職し、しばらく休養するつもりでいる方
・結婚を機に退職し、しばらく家事に専念するつもりでいる方 など

仕事に就く意志と能力があると認められない方は、失業手当の支給対象になりません。

仕事に就く意志と能力が認められるためには、具体的にはハローワークで求職の申し込みをしたうえで、求人に応募したり面接を受けたりすることが必要です。

仕事を辞めてから原則1年以内に申請する

転職先の目処が立っていないまま仕事を辞めた場合、なるべく速やかにハローワークで失業手当の申請をしましょう。

失業手当を受け取ることができるのは仕事を辞めてから原則1年以内なので、「申請が遅れてお金がもらえなかった…」とならないように注意しましょう。

また、失業手当は申請から一定期間が経過しないと受け取ることができないので、申請が遅れるとその分支給開始も遅れます。

再就職手当なども活用する

再就職先が決まったときに給付日数が3分の1以上残っていれば、再就職手当を受け取ることができます。

早く就職すればするほど再就職手当の金額も高くなるため、失業手当の残日数に関係なく転職活動を行うと良いでしょう。

なお、ハローワークでは再就職に向けてさまざまな職業訓練を行なっているため活用すると良いでしょう。職業訓練は原則無料で受講でき、介護職員初任者研修や実務者研修といった介護関連の資格を取得することも可能です。

失業中は不安も多いですが、公的支援制度を活用して自分に合った仕事や職場を見つけましょう。

再就職手当について詳しく知りたい方は、『再就職手当はいつ、いくらもらえる?受給条件や申請方法を解説!』を参考にしてください。

失業手当受給中のアルバイトについて

失業手当を受け取ろうとするとき、受け取っているときでもアルバイトは可能です。

ただし、次の4つに注意しましょう。

1. 待機期間中の7日間はアルバイトをしない
失業手当の申請をしたあとの待機期間中にアルバイトをすると、その分だけ待機期間が延長されます。アルバイトをするのは待機期間を終え、初回の失業認定を受けたあとにしましょう。

2. 1日の勤務時間を4時間以上にする
1日の勤務時間が4時間未満の場合、「内職または手伝い」と見なされ失業手当を減らされる可能性があります。アルバイトをするなら1日の勤務時間が4時間を超えるものを選びましょう。ただし、1日4時間以上働いた日は支給対象になりません。

3. 1週間の勤務時間を20時間未満にする
1週間に20時間以上働くと雇用保険の加入対象となり、「就職した」と見なされて失業手当を受け取れなくなる可能性があります。1週間の勤務時間が20時間を超えないよう、シフトを調整してもらいましょう。

4. ハローワークに申告する
アルバイトをする場合は、収入の多少にかかわらずハローワークへの申告が必要です。申告をしなかった場合、失業手当の不正受給と見なされ、罰則が適用される可能性があります。

失業手当は求職者の方が安心して転職活動に専念できるように支給されるものです。

アルバイトをしすぎるのは本末転倒なので、メリハリをつけて活動しましょう。

失業手当受給中の健康保険や年金について

仕事を辞めたあとに問題になるのが、健康保険や年金の支払いをどうするかです。

失業中の健康保険の支払いについては、以下の3パターンがあります。

1. 任意継続保険の利用
・前職での健康保険組合の保険に引き続き加入
・保険料は会社負担がなくなるため全額自己負担
・離職日から20日以内に加入手続きが必要
・加入期間は最長2年間

2. 国民健康保険に加入
・前職での健康保険を脱退し、国民健康保険に加入
・解雇など会社都合による離職の場合、保険料が減免される可能性あり

3. 配偶者の扶養に入る
・配偶者が加入している健康保険の扶養家族になる
・年収130万円未満である必要があり失業手当は収入と見なされる
・失業手当の基本手当日額で不要に入れるか決まるが、加入先によって誤差(3,610〜3,612円)がある

国民年金や住民税については、自治体によって支払いの免除や納付を待ってもらえるケースがあるため、市区町村の窓口に相談しましょう。

なお、厚生年金の扶養は、失業手当の基本手当日額が3,612円以上だと入ることができません。

不正受給を絶対にしない

不正受給

偽りその他不正の行為で基本手当等を受けたり、又は受けようとした場合には、以後これらの基本手当等を受けることができなくなるほか、その返還を命ぜられます。

更に、原則として、返還を命じた不正受給金額とは別に、直接不正の行為により支給を受けた額の2倍に相当する額以下の金額の納付を命ぜられることとなります。

出典:ハローワーク | 基本手当について

言うまでもありませんが、不正受給は絶対にしないようにしましょう。

もしも不正受給が発覚した場合には不正受給した金額の返還が命じられるほか、不正行為により支給を受けた額の2倍に相当する額以下の金額の納付(いわゆる「3倍返し」)が命じられます。

不正受給の典型例は以下の通りです。

  • 実際には行っていない求職活動を、「失業認定申告書」に実績として記載するなど偽りの申告をする
  • 就職や就労したにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記載しない
  • 自営や請負により事業を始めているにもかかわらず、「失業認定申告書」にその事実を記載しない
  • 内職や手伝いをした事実及びその収入を「失業認定申告書」に記載しない
  • 会社の役員に就任しているにもかかわらず、「失業認定申告書」に記載しない
  • 定年後、「積極的に就職しようとする気持ち」や「いつでも就職できる能力」がなく、しばらく失業給付を受け、受給終了直後に年金を受給しようと考えている人が、「失業認定申告書」により偽りの申告をする

提出する書類には事実をありのまま記入し、不正に受給することがないよう注意しましょう。

まとめ

この記事では、失業手当はいくら、いつもらえるのか、その受給条件や申請方法を解説してきました。

  • 失業手当で受け取れる金額は離職前の給与のおおよそ50〜80%
  • 受け取れる期間は多くの場合3〜4ヶ月程度
  • 失業手当を申請した後、受け取るまでに通常は約2ヶ月特別な事情のある方で約1ヶ月かかる

すぐに受け取れるわけではありませんが、離職中に必要なお金の多くをカバーできるため、生活を心配しないで新しい仕事を探すことができます。

申請が面倒と思う気持ちもあるかもしれませんが、この記事の情報を積極的に活用して、失業手当の申請に役立てていただけると幸いです。

労働環境サポーターは、失業手当の申請を専門サポートしています。

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求職者給付について詳しく知りたい方は、『求職者給付とは?受給条件や金額を徹底解説!』を参考にしてください。

監修者

 畑井・松原法律事務所

畑井・松原法律事務所

畑井・松原法律事務所は「誠実であること」「実務家であること」「新しい事に取りくむこと」という 3つの理念のもとに生まれた法律事務所です。
専門性を追求しながら、新しいことにも積極的に自らチャレンジしていく新しい法律事務所として継続的な成長を目指しています。

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