【仕事を辞めたいけどお金がない】貯金なしの退職で失敗しない方法とは?
「仕事を辞めたいけど、お金がなくて踏み切れない・・・」
お金の不安があってこのように考えている方は、多いのではないでしょうか。
この記事では、仕事を辞めたいけどお金がないという方に向けて、貯金なしの退職でも失敗しないための方法について解説していきます。
仕事を辞めたあとで必要なお金について
仕事を辞めたあとは貯金が必要か
仕事辞めたいけどお金ないときに失敗しない方法
目次
仕事を辞めたあとで必要なお金は?
まずは仕事を辞めたあとで必要なお金について解説していきます。
仕事を辞めたあとで主に必要なお金は、「生活費」「社会保険料」「税金」です。
生活費
食費、光熱費、住宅費、通信費などの必要最低限の生活費は、収入とは関係なく支出するお金です。
会社で家賃補助や食事補助などを受けている人は、その補助の金額分も追加で負担する必要が出てきます。
総務省が発表している「家計調査年報(家計収支編)2022年」によると、消費支出の月平均は以下の通りです。
【消費支出の月平均額】
- 単身世帯:161,753円
- 2人以上の世帯:290,865円
辞めた後は節約するのでこれより少ない生活費になると思いますが、ひとつの目安として参考になるでしょう。
社会保険料
意外に負担が大きくなるのが社会保険料です。
普段は給与から天引きされていて意識していない人も多いと思いますが、仕事を辞めたあとでも基本的には支払わないといけません。
健康保険
以下のいずれかの手続きを行い、健康保険料を支払っていく必要があります。
- 任意継続健康保険:前職で加入していた健康保険の継続
- 国民健康保険:住んでいる市区町村で手続きをする健康保険
- 被扶養者としての健康保険:家族の健康保険に加入
支払う金額は年収によって異なりますが、月額数万円程度となります。
手続きは、退職後14日以内に住んでいる市区町村で行いましょう。
(※任意継続健康保険に加入する場合は、退職後20日以内に前職の会社を通じて手続きします。)
国民年金
会社を辞めたあとも、基本的には国民年金の保険料を払う必要があります。
令和5年の国民年金保険料の金額は、月額16,520円です。
経済的に支払いが困難な場合は、申請によって保険料の納付が免除になる場合があります。
再就職してから追納することもできるので、お金に余裕がないという場合は申請しましょう。
手続きは、退職後14日以内に住んでいる市区町村で行う必要があります。
税金
住民税と所得税は仕事を辞めたあとも支払う必要があります。
これらの税金は、離職前の所得が多いほど多く課税されるので、会社を辞める前の給料が高かった人は気をつけましょう。
住民税
会社を辞めたあとでも、自分の住んでいる地域には住民税を納めなければなりません。
住民税額の計算例は以下の通りです。
総所得400万円、住民税の所得控除100万円、税額控除なしの場合
課税所得:400万円 - 100万円 = 300万円
所得割の計算:300万円 × 10%(税率) = 30万円
税額控除:なし
住民税額:30万円+5,000円(均等割)=20万5,000円
所得税
退職した年の年内に再就職した場合は、転職先の会社で年末調整して給料から天引きとなりますが、年内に再就職しなかった場合は、確定申告を自分で行って支払う必要があります。
所得税額の計算例は以下の通りです。
課税所得金額が330万円の場合
課税所得税:330万円
控除:42万7,500円
税率:20%
所得税額:330万円 × 20% - 42万7,500円 = 23万2,500円
仕事を辞めるときの貯金はいくら必要か?
結論から言うと、ほとんどの場合100万円程度の貯金があれば問題ないでしょう。
また、「転職動向調査 2023年版(2022年実績)」によると、転職を考え始めてから内定通知に至るまでの期間は2ヵ月未満が4割程度、2ヵ月〜半年未満が4割程度です。
つまり、ほとんどの場合であれば、半年分の貯金があれば問題ないということになります。
単身世帯の消費支出の月平均額は約16万円なので、半年分だと100万円程度です。
したがって、100万円程度あれば、転職までに必要なお金を十分に賄うことができるでしょう。
ここからは、アンケート結果をもとに仕事を辞めるときに必要な貯金額について深掘りします。
在職中の転職活動に必要な貯金
在職中の転職活動で必要な貯金について転職経験がある人にアンケートをとると、以下のような結果となっています。
必要だと思う貯金額 | 回答率 |
---|---|
10万円未満 | 40.9% |
10〜50万円未満 | 28.1% |
50〜100万円未満 | 15.8% |
100〜200万円未満 | 4.9% |
200万円以上 | 5.9% |
50万円未満という意見で過半数を占めており、10万円未満という意見が40.9%あるという結果です。
やはり在職中ということもあり、比較的安価に収まるという意見が多いようです。
退職後の転職活動に必要な貯金
退職後の転職活動で必要な貯金について転職経験がある人にアンケートをとると、以下のような結果となっています。
必要だと思う貯金額 | 回答率 |
---|---|
10万円未満 | 32.0% |
10〜50万円未満 | 25.0% |
50〜100万円未満 | 18.0% |
100〜200万円未満 | 8.6% |
200万円以上 | 10.9% |
50万円未満という意見が過半数を占めているものの、在職中と比べると多くかかるという意見が多いです。
ただ、意外にも「働きながら転職活動」と「退職してから転職活動」の回答に大幅な差異はみられていません。
一般的に生活防衛資金は、生活費の3か月~半年分と言われています。
在職中の転職活動であれば必要なお金は少なく済み、退職後の転職活動であれば失業手当を受給することも可能です。
従って、日頃から生活防衛資金を準備できている人であれば、特にお金に対して不安を持つ必要はないでしょう。
仕事を辞めたいけどお金ないときの対処法
貯金なしの退職で失敗しない方法をご紹介していきます。
貯金なしで乗り切ろうと考えると、「①いかに失業期間を短くし ②支出を抑え ③お金を得るか」という視点が大切です。
これらの3点の視点について、それぞれ解説していきます。
① 失業期間をなくす
働きながら転職活動を行い、離職と転職との間の期間を限りなくゼロに近づけます。
そうすると、離職してからすぐに転職することになるので、失業期間がそもそもありません。
シンプルではありますが、「仕事を辞めたいけどお金がない」というときには、これがもっとも有効な方法でしょう。
さらに有給消化を組み合わせることができれば、次の仕事に就くまでの休みも確保することができます。
② 支出を抑える
失業期間がある場合は、支出を抑えてお金がなくならないようにしましょう。
支出を抑えるにあたっては、目の前の数百円〜数千円を節約することも大切ですが、大きな支出から抑えることが大切です。
家賃を抑える
支出を抑えるにあたって、もっとも考えるべきは支出の大部分を占める家賃を抑えることでしょう。
家賃を抑える方法としては、以下のようなものが考えられます。
・実家に帰る
実家に帰れば今まで家賃として払っていた金額を払わなくて済みますし、両親に理解を得られれば金銭的負担を最小限にして住むことができるでしょう。
ただし、訪問を前提とした転職活動をするためには、実家の立地がボトルネックとなる場合もあります。
・シェアハウスに住む
良い選択と言えるでしょう。
一般的に家賃相場の高い東京都内でも、ドミトリータイプ(相部屋の部屋タイプ)であれば、家賃3万円程度で住むこともできます。個室タイプですら家賃5万円程度で住むこともできるでしょう。
入居や退去の自由が効くので、自分が希望している勤務地のシェアハウスに住んで転職活動を行い、内定したら賃貸物件に引っ越すという臨機応変な対応もしやすいです。
ただし、共同生活になる上に、安い物件だとその分住民のモラルが低いこともあるので注意が必要です。
筆者が以前住んだことのある安めのシェアハウスでは、パソコンの盗難が起きたり、退去したはずの住民がそのまま住み着いていたり、ということもありました。何かトラブルに遭って運営会社に相談したとしても、最終的には自己解決になることが多いので、何事も自己責任という覚悟も必要かもしれません。
減免・減税制度を利用する
住民税は地域によりますが、健康保険や国民年金には減免制度があるので、住んでいる市区町村の役場で相談してみましょう。
減免や減税が認められた場合、社会保険料や税金の負担を抑えることができます。
なお、国民年金については、保険料の免除を受けた期間の保険料を追納することができます。
追納すると年金の受給額を増やすことができ、社会保険料控除で所得税・住民税の軽減も受けられます。
③ お金を得る
実は、失業期間中でもお金を得る手段があります。
収入が完全にゼロになるのは精神的にも不安がつきまとうものです。
失業期間にお金を得る手段を活用して、余裕を持って退職するようにしましょう。
失業手当の支給を受ける
失業手当は、雇用保険の被保険者が、就職の意思と能力があって積極的に求職活動を行っている場合に受給できます。
おおよそ離職前の給与の50〜80%、3〜4ヶ月程度受け取れるでしょう。
住居所を管轄するハローワークで申請できるので、失業期間に入ったら手続きを行いましょう。
仕事で強いストレスを抱えている人は、通常よりも多くの失業手当を受け取れる可能性があります。
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未払い残業代を請求する
離職前の会社でサービス残業が常態化していて、その事実を証明する証拠がある場合、未払い残業代を請求することができます。
未払い残業代は過去3年間遡って請求できるので、毎日少しの時間であっても積み重ねるとまとまった金額になります。
基本的には会社との話し合いで解決することは難しいため、弁護士を介した法的な対応になるでしょう。
未払い残業代の請求は、弁護士に依頼して法的に対応することが重要です。
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お金がなくても勇気を持って一歩踏み出そう
この記事では、仕事を辞めたいけどお金がないという方に向けて、貯金なしの退職でも失敗しないための方法について解説してきました。
- 仕事を辞めたあとで必要なお金は「生活費」と「社会保険料及び税金」
- 仕事を辞めるときの貯金は100万円程度あれば問題ない
- 仕事辞めたいけどお金ないときは「失業期間をなくす」「支出を抑える」「お金を得る」で対応する
仕事を辞めるのは勇気が必要なことでしょう。そこにお金の不安が相まってしまうと、なかない退職に踏み切れません。
お金に不安がある方は「失業期間をなくす」「支出を抑える」「お金を得る」を実践して、退職に踏み切る足がかりを作ると良いでしょう。
この記事が、お金の不安で退職に踏み切れない人たちのお役に立てば幸いに思います。
仕事を辞めたいのは甘えか知りたい方は、『【もう限界】仕事辞めたいのは甘え?辞める前に考えるべきことを解説』を参考にしてください。